近鉄 ダイヤ改正で減便【21年7月】

2024年8月24日未分類

近鉄は5月12日、ニュースリリースでダイヤ改正を発表した。

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahenkou.pdf

ダイヤ改正日は今年7月3日(土)。①深夜帯減便および終電繰り上げ②昼間の減便③特急列車の臨時化、減便の3点を行う。

以下ダイヤの詳細を分析したが、青山峠区間と志摩半島ではかなり厳しい改正となっている。2020年11月に既にこれが今後現行ダイヤに復するかは需要次第であるが、看板である特急列車でも (臨時化含め)本数をこれだけ減らしていること、前回のダイヤ改正でも急行停車駅増加による合理化を図ったことを考えれば見通しは明るくない。田原本線も更に本数が減っている。名阪特急の本数を変えなかったのはせめてもの意地といったところであろうか。近鉄HDに関して言えば福山通運の株を売却したニュースが出たようにかなり経営状況が怪しい。今後この状況がひどくなれば、養老線や伊賀線のように路線を整理する可能性も十分考えられる。

余談ではあるが2020年11月に既に列車本数削減可能性の報が出ていたようである。私もそれに便乗して予測めいたものを書いていたが御所線に関しては当てて”しまった”ようである。


①深夜帯減便および終電繰り上げ②昼間の減便
・大阪線

【平日】22時台の急行1本と区間準急1本を取りやめるとともに、区間準急1本を準急に変更します。あわせて23時台の区間準急1本、0時台の普通1本を取りやめます。
【土・休日】23時台の区間準急1本、0時台の普通1本を取りやめます。
→下線部については終電繰り上げに影響する。上本町ー高安間の終電は約20分の繰り上げ、上本町から高安以遠河内国分までの終電は8分繰り上げとなる
また、名張・伊勢中川間に関して11~14時台で普通列車が削減される。1時間当たりの列車本数を図解すれば以下の通り(上本町・名張間と特急に関しては省略している)
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因みにであるがニュースリリースでは他の線区においても列車本数の削減について書かれているが、大阪線だけ(影響が大きいからか)、停車本数が減る駅をわざわざ列挙している。
例えば西青山駅の現行時刻表(2020年3月14日改正)で見てみると×印をつけた列車が削減される。
スクリーンショット 2021-05-13 133553
(×印が手書きであるのは申し訳ない)昼間と朝夕間の本数がほぼフラットであったからここが削減されるのはそこまで不思議ではない、とはいえ大手私鉄としては有数の本数の少なさになることは間違いない。

・奈良線
(大阪難波発について)【平日】22時台の区間準急1本を取りやめるとともに、23時台の急行1本を準急に変更します。

【土・休日】22時台の急行1本を取りやめるとともに、23時台の快速急行1本、急行1本を準急2本に変更します。
→奈良線に関しては本数の削減が緩い。やはり利用者が多いからであろう。

・京都線橿原線
(京都駅発)22,23時台の急行各1本を新田辺行きに変更の上、新田辺から先は普通列車として直通運転します。あわせて23時台の普通1本を0時台に変更の上、0時台の普通1本を取りやめます。
→下線部は終電に関わる。京都ー京田辺間は15分ほどの終電繰り上げ。
更に天理線からの直通列車(普通列車)をほぼ全時間帯において線内運転に短縮するため、西大寺-平端間の列車本数が減る。

・南大阪線
(大阪阿部野橋駅の22時台以降発の列車について)

【平日】22時台の準急1本、普通1本を取りやめ、区間急行1本を急行に変更します。あわせて23時台の準急1本、0時台の普通2本を取りやめます。

【土・休日】22時台の準急2本と普通1本、0時台の普通2本を取りやめます。
ここでいう普通列車は河内天美行きの終電2本。これにより阿部野橋-河内天美間の終電が25分繰り上がる。(なぜかさらっと区間急行が急行に格上げされている)
昼間時間帯の列車についても、吉野行き急行が区間急行に格下げ(なお、区間急行/吉野の方向幕がないことについての対応はどうなるかわからない)し、古市ー橿原神宮前間の普通列車が運転取りやめになる。30分毎の運転本数を図解すると以下の通り。

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実質的な本数削減になるのは古市-尺土間(駒ヶ谷-磐城間)のみ。この付近の駅の利用者数をHP(リンク)から探すと以下の通りになる(HPによれば調査日は平成30年11月13日)
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太字は急行停車駅、青塗今回停車本数削減となった駅、赤塗が免れた駅となる。この辺りの本数削減の塩梅は適切なのかどうかは今後の利用者の増減ではっきりしてくるだろう。
また御所線の10時~14時台でも普通列車が毎時4本から2本となる。

・田原本線
西田原本・新王寺間で、毎時2本運転の時間帯を西田原本発9時台から15時台と新王寺発10時台から16時台に拡大します。また西田原本発16時台から21時台と新王寺発17時台から22時台は、おおむね毎時4本から3本の運転とします。

現在毎時2本運転の時間帯が11~14時台に収まっていることからして、要は9~10時台と15~21,22時台は本数を削減するということである。ややまどろっこしい言い方に思われる。

・名古屋線

(名古屋発の22時台以降について)
【平日】22時台の普通1本を取りやめ、23時台の急行1本を準急に変更します。

【土・休日】22時台の普通1本を準急に変更します。あわせて23時台の急行1本を準急に変更します。

更に昼間塩浜-津新町間の普通列車を毎時1本削減し毎時2本の運転となる。名古屋-四日市間の準急が”化けて”四日市-津新町間の普通になるものが2本あるからそちらは残すということだろう。近鉄名古屋線はやはり急行列車で持っている面があるので致し方ないだろう。

・志摩線
鳥羽-賢島間の昼間普通列車を毎時2本から毎時1本に削減する。伊勢中川-鳥羽間は毎時2本のまま、ということであろう。山田線とはことなり普通列車がラッシュ時間帯でも毎時2本でフラットであったから昼間はなおさらガラガラだった、という判断の現れであろうが、大阪線とは異なり完全な末端区間であるからピンチと言えよう。

③特急列車の臨時化、減便
詳しい本数はニュースリリース参照ということになるが、
本数の変更なし:名阪特急
本数やや減  :京伊特急、名伊特急、京橿特急
大きく本数減 :阪伊特急、吉野特急、京奈特急、阪奈特急
ざっくり言えばこのような感じ。阪奈特急に関して言えば、平日は30本→24本(2割減)、土休日は32本→17本+臨時8本となり最大半減となる。
特色すべきは臨時特急が平日13本(うち11本が吉野特急)→38本、土休日2本(名阪特急)→31本となること。主に昼間時間帯に関してと書かれているのが不気味である。
しれっと書いてあることであるが、土休日の上本町9時50分発宇治山田行き(指定日鳥羽行き)特急を大阪難波発鳥羽行きにする。現行の停車駅が上本町、鶴橋、布施、八木、名張榊原温泉口伊勢中川松阪、伊勢市、宇治山田(、鳥羽)であるが、ニュースリリースによると、難波、上本町、鶴橋、八木、伊勢市、宇治山田、鳥羽の発着時刻のみが書いてある。確かに停車駅を見直すとあったが実質甲特急への格上げとなるまで停車駅を減らすのかは実際のダイヤを見てみなければわからない。