JR東海 「しなの」を置き換えへ!

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄

JR東海は、20日、新型特急車両の量産先行車を新造すると発表した。
新型特急車両「385系」量産先行車の新製について

同特急車両は、しなの号(名古屋ー長野間)で運用されている383系電車を置き換えるものである。
383系電車は振り子制御技術を利用し、カーブで車体を傾斜させ速達性を確保しており、最大本則+35km/hを実現している。

385系電車の設計思想として掲げられているのは以下の通りである。
・振り子制御技術の向上。すなわち、ジャイロセンサを用いてカーブ開始位置から車体を傾斜できるようにする。
・HC85系と同様に防犯カメラの設置、及び車体機器のモニタリングを行う。
・315系電車と車体長・ドア位置を合わせることにより、ホームドアの設置を円滑にする。
(参考:383系電車は中間車は20.8m、先頭車は21及び21.9m。315系電車は20.1m。313系電車は中間車20m、先頭車20.1m)

今後量産先行車として2026年度を目途に8両1編成を新造する。量産車の導入は2029年度ころとしている。エクステリアは画像の通りであり、(HC85系と異なり)前面展望を先頭車に確保する。

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△画像は上記ニュースリリースより引用。

383系電車が導入されたのは1995年。おおよそ35年で置き換えとなる。
現在の特急しなの号は基本編成6両(グリーン車1両)で、最大混雑時は10両編成(グリーン車2両)まで増結する。今回の量産先行車は8両編成となることから、運用の思想が変わるのではないかと考えることも不可能ではない(波動に合わせた車両を用意するよりは、固定編成で運転本数を変える形に変えるということである)。2029年ともなれば敦賀開業した北陸新幹線が定着しているころであり、需要等の見極めも今後行われるだろう。

一応今後のスケジュール感を見るために参考までにキハ85系からHC85系への置き換えのあらましを見ていくと、
・1989年にひだ号に導入、1990年には完全置き換え
・1992年には全ての南紀号に一斉導入
・キハ85系の製造両数は80両
・HC85系の試験走行車は2019年12月に落成(リリース)
・HC85系は2022年7月に一部のひだ号に導入(リリース)、以降段階的に投入
・2023年3月改正でひだ号を一斉置き換え(リリース)
・2023年7月に南紀号を一斉置き換え(リリース)
・HC85系の製造両数は68両
となっている。他方で383系電車は76両である。

また全くこの文脈には出てこないが、373系も相当年季が入っているので、似たような話が数年内に出てきそうではありそうである。