JR西 今年秋減便改正についての考察2-②(西日本各エリア編)

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄,ダイヤ改正

JR西日本はニュースリリースで社長会見の要旨を公表した。今回はこれの「ダイヤ見直し」について考察する。

どうやら前回の考察が外れる見込みになったのでここに記事を供養しておく。合掌。

会見によると10月改正では「ご利用状況と列車本数に大きな乖離がある区間について、」近畿エリアの昼間に関して60本、他線区において終日にわたり70本の改正を行う。ここでは後者の各エリアについて考察してみたい。
あくまでここでは会見で明示された線区のみを扱う。実際のダイヤ改定ではこれら以外の線区でも本数削減を行う可能性がある。
近畿エリアの記事はこちら

・北陸エリア:小浜線、越美北線
小浜線に関して、小浜線は午後に電車が偏っているというダイヤ上の特徴がある。
例えば敦賀発は6時台(2本)、7時台、8時台、10時台、12時台、13~18時台(各1本)、20~22時台(各1本)となっている。となれば減便の方法として考えられるのは2時間おきの間引き運転にするという手法で、午後を中心に4往復8本程度の減便が予想される。
越美北線(なぜかここだけは愛称ではない)に関して、これ以上減らすことのできる列車がほぼないという印象。削られうる限度としては九頭竜湖発越前大野行き最終(738D)と福井-越前大野間1往復2本のせいぜい3本ではないだろうか。これを超えるとすればそろそろ「交通体系の見直し(=廃止を含めた検討)」が行われる合図と考えてよい。

・北近畿エリア:山陰線
果たしてこの山陰線の指す区間がどこなのかが読めない限り予想もしづらい。①園部~胡麻②園部~福知山③綾部~福知山(舞鶴線列車)④福知山~豊岡・城崎温泉⑤豊岡・城崎温泉~浜坂のざっくり5通りのパターンが考えられる。既に②に関しては昼間に2往復を胡麻~福知山間で運転取りやめが行われているため、ここが更に本数を削られるというよりも、福知山より西側、④が今回の列車削減の対象となりうるだろうとよそうする。

・南紀エリア:きのくに線、和歌山線
きのくに線に関して、①和歌山~御坊間快速を前後の普通に吸収させる(3本)、②御坊~紀伊田辺間での本数削減(夜間帯中心?)、③紀伊田辺~新宮間はこれ以上本数削減しようがない、減らすとすればそれだけ利用者が減っている。の3区間に分けて考えられうる。
和歌山線に関して、南紀エリアと指定しているということは和歌山支社内の和歌山~五条間であるのでこちらも快速列車を前後の普通で吸収する、計4本の削減および、和歌山~粉河間の昼間シャトル列車5往復10本を削減する可能性も十分あり得る。昔の時刻表を見ればこの区間列車がもともと和歌山~橋本間で設定されていた時期もあったらしく、長期的にみて大きく本数が削減された、という帰結になる可能性がある。

・瀬戸内エリア:山陽線、瀬戸大橋線
山陽線に関して、これが岡山周辺を指しているとすれば前回改正の対象とならなかった福山~三原間を毎時2~3本から2本に減らす可能性(4往復8本程度)が考えられる。広島、山口エリアを半年でまた大幅削減、ということまではしないだろう(と信じておきたい)。
瀬戸大橋線に関して、2020年春改正で増発した茶屋町~岡山間の普通・快速列車3往復6本を元の木阿弥に帰す可能性がある。それ以外を無理して削ることも考えにくい。

・山陰エリア:山陰線、伯備線、因美線、境線
山陰線に関して、米子支社としてみれば範囲が広すぎる(浜坂~鳥取~米子~出雲市~益田)ので検討するのが厳しい。あり得るとすれば快速とっとりライナー、アクアライナーを中心にした見直しだろう。
伯備線に関して、米子~生山間の区間列車を削減するならともかく、新見駅まで運転される列車を削減する可能性も十分ある。これ以上減らしようがないようにも思われてしまう。
因美線に関して、郡家~鳥取間は若桜鉄道直通との重複区間ゆえ、ここが供給過剰になっているとする考え方もあるし、鳥取~智頭間であれば運転間隔が近い列車で智頭急行線に連絡しないもの(鳥取11時58分発の635D,智頭16時27分発638D)が削減対象になりそうだ。
境線に関して、平日ダイヤと土休日が分かれているが、これを本数の少ない土休日側に合わせるという対応が考えられる。

以上に見てきた通りだが、多くの線区で具体的な削減対象が読めないものの、列挙した線区で70本程度を予定しているということは運転形態がそこまで大きく変えられるほどの本数とまでは言えない。それでも不便になることはまず間違いない。

2021年7月28日追記
実際ダイヤ変更について発表がありました
記事は以下。