地下鉄「輸送力」最強はどの路線?【2023秋Ver.】

2024年4月26日未分類

日本全国津々浦々地下鉄が走っている。一般に東京の地下鉄は運転間隔が狭い、他方他の都市でメインでない路線の地下鉄は本数が少ない傾向にある。
では運転本数が多い路線が実際一番「運べる」路線とは限らない。一番運転間隔が狭い銀座線は16m車が6両編成である(※運転間隔は第一回時点の話)。そのほか地下鉄でもその使用上20m車,19m車もある。
じゃあ結局輸送力が一番高い路線はどこだろうか、一度調べようというのがこのシリーズもう3回目になる。

第1回 →地下鉄「輸送力」最強はどの路線?(2021年秋)

第2回 →地下鉄「輸送力」最強はどの路線?【2022冬Ver.】

基準はここをタップすると出てきます

・各市交通局の地下鉄と東京メトロ、Osaka Metroの43線区が対象。日暮里・舎人ライナーとニュートラムも含めた。

・昼間オフピーク時間帯1時間の運行本数×列車定員を「1時間でその路線が運べる人員₌輸送力」とする

・運行本数は平日昼間の本数で、かつその路線で一番本数が多い区間にする(例:御堂筋線では新大阪ー天王寺になる)。また線内通過駅がある列車も本数に含める。

・列車定員の基準となる車両はその線区で1番新しい車両の着席定員である。データは各交通局のHPおよび、車両メーカーのHPからの数字を取ったが原典がないときはやむなくWikipediaに依った。

・両数が異なる列車が走る場合は概ね昼間の両数の比率に合わせて計算する

以下は補足(タップするとでてきます)。

・神戸市営北神線は西神山手線と同一系統であるため順位に出てこない。

・昼間7分間隔での運転の場合は毎時8.6分として小数点切り上げ

・メトロ南北線、都営三田線に関しては白金高輪以北で計算

・都営三田線に関しては基準時の編成数で按分(6両:8両=24:13≒6.48:3:52)、メトロ南北線は8両編成は不定のため全て6両編成で計算。

この記事は2023年10月1日時点の輸送力で判断。前回以降で昼間の運転本数に変化があったのは以下。
・都営新宿線 12本→11本 3月18日改正(前々から漸減していた)
・メトロ有楽町線 12本→10本 3月18日改正(ニュースリリース)
・横浜市ブルーライン 10本→8本 3月18日改正(ニュースリリース)
・横浜市グリーンライン 8本→6本 3月18日改正(同上)
・メトロ銀座線 12本→15本 4月29日(ニュースリリース)
・Osaka Metro中央線 400A系デビュー(定員数808)
・仙台市南北線、東西線 8本→6本 7月1日改正(ニュースリリース) 
・名古屋市桜通線 8本→6本 9月16日改正(ニュースリリース)
そろそろ「輸送力が本当に発揮される朝ラッシュ時を調べろ!」というのが来そうなので、それについても今回触れておく。

上位5線区を書く。有楽町線の減便で半蔵門線がランクインしている。
1位:Osaka Metro御堂筋線 20700人
2位:東京メトロ東西線 18240人
3位:東京メトロ千代田線 18216人
4位:東京メトロ副都心線 18172人
5位:東京メトロ半蔵門線 18000人

まずは端的に昼間について結果を示す

順位 都市 路線名 輸送力 車両形式(基準車両)
1 大トロ 御堂筋 20700 31系(30000系)
2 東トロ 東西 18240 15000系
3 東トロ 千代田 18216 16000系
4 東トロ 副都心 18172 7000系
5 東トロ 半蔵門 18000 08系
6 都営 新宿 15598 10-300系3~5次車
7 東トロ 有楽町 15180 10000系
8 東トロ 日比谷 12420 13000系
9 都営 浅草 12408 5500系
10 福岡 空港 10248 2000N系
11 大トロ 堺筋 9972 66系
12 都営 三田 9711.2 6300系3次車/6500系
13 東トロ 丸ノ内 9504 02系
14 東トロ 銀座 9150 1000系
15 東トロ 南北 8830 9000系5次車
16 大トロ 四つ橋 8200 23系(新20系)
17 大トロ 谷町 8200 32系(30000系)
18 札幌 東西 7826 8000系
19 都営 大江戸 7800 12-600系
20 名古屋 名城 7452 2000系
21 名古屋 鶴舞 6880 N3000系
22 福岡 箱崎 6832 2000N系
23 大トロ 中央 6464 400系
24 神戸 西神山手 6464 6000系
25 名古屋 東山 6180 N1000系
26 京都 烏丸 5824 20系
27 京都 東西 5358 50系
28 名古屋 桜通 5160 6050系
29 横浜 ブルー 4656 3000系
30 札幌 南北 4541 5000系
31 大トロ 千日前 4320 25系(新20系)
32 札幌 東豊 4128 9000系
33 名古屋 名港 3726 2000系
34 仙台 南北 3456 1000系
35 大トロ 長鶴 3420 70系
36 横浜 グリーン 3040 10000系
37 福岡 七隈 3024 3000系
38 都営 日暮里 2590 320系
39 仙台 東西 2328 2000系
40 大トロ 今里筋 2262 80系
41 神戸 海岸 2172 5000系
42 名古屋 上飯田 2104 7000系
43 大トロ 南港 1660 200系

さて、朝ラッシュの輸送力だが、これは国土交通省が調査している。
令和4年度実績の都市鉄道の混雑率調査結果を見ればよい。 リンク
1時間当たりの輸送力が3万人を超える都市鉄道は以下のような線区がある(地下鉄に限らない)。念のためにいうが、車両定員であって、実際に運んでいる人数ではない。

線区 輸送力
千代田線 代々木上原方面 44022
東西線 中野方面 40500
半蔵門線 押上方面 38448
御堂筋線 なかもず方面 36900
有楽町線 新木場方面 36432
御堂筋線 江坂方面 35620
東西線 西船橋方面 34500

こうみると御堂筋線は善戦している気はするが、私鉄との直通を受けている(つまり新しめの線区である)東京メトロの各線はやはり輸送力が多く、それに伴う需要があるといえる。

参考までにJRの各線。

線区 輸送力
東海道線(JR東) 31348
山手線内回り 32540
中央線快速 42920
京浜東北線(南行) 34040
京浜東北線(北行) 38480
常磐線快速 30804
総武線快速 33552
総武線緩行 37000
東海道線(京都線)※ 32599

JR京都線は快速と普通の合計数。ちなみに常磐線・中央線は各駅停車は3万人弱である。JR他社(JR西も)輸送定員2万人/時に及ぶ線区はほとんどない。

線区 輸送力
東武伊勢崎線 38874
東武東上線 33120
西武池袋線 31301
西武新宿線 30747
京王京王線 36120
小田急小田原線 48878
東急東横線 31650
東急田園都市線 40338
相鉄本線 31360

私鉄についても付記しておく。関西私鉄だと京阪本線が2.7万人ほど。