WESTER全線きっぷ Day3【地鉄】

2024年11月8日未分類

前日譚 DAY1 DAY2 DAY3

3日目。朝6時の福井駅の様子を最初にお届けします

福井だなあ
数年ぶりの快速電車
今庄そば
えちぜん鉄道

始発の新幹線でまずは富山へ。見ている限り、大阪方面からの接続がないので当然ではあるのだが東京方面にそのまま抜ける旅客が多数見受けられた。むしろ富山で降りるほうが少数派である。

富山駅は在来線ホームはあいの風の管轄となっており、高山線に乗るにも有人改札を通る必要がある。新幹線乗り換え口も新幹線の改札機と在来線改札と2度通る必要がある。他方市内電車への乗り換えは非常に便利になっていて、在来線改札口から真正面に行けば電停があるという形になっている。もとはと言えば(現)電鉄富山駅停留場と富山港線の富山駅北停留場があったがそれが延伸移設統合されたのである。

交通結節点としての富山電停

電鉄富山で地鉄・市内電車1日乗車券を購入する。まだ希望の電車まで時間があるので電鉄富山・エスタ前電停から富山駅電停まで1区間市内電車に乗ってみる。もともとここまで歩かないと市電がなかったと考えれば富山駅が交通結節点としてうまく機能し始めていると感じる。

電鉄富山駅の売店

電鉄富山駅まで戻って立山行きに乗り換える。ただ1本前の電車に敢えて乗って稲荷町で降りる。車庫があるのはともかくとして乗り場が駅本屋側から3,1,2番となっており非常に違和感を覚える。天気も良く、写真がひたすら映える。

ドアは埋め込み
稲荷町駅 終日営業

もともと乗る予定だった立山行きに乗り換えて寺田、岩峅寺方面へと進む。元京阪特急の車内は程よく埋まっているのだが、恐らくは皆立山まで向かうのだろうという感じである。然し私は岩峅寺から1駅の横江で降りる。岩峅寺からは明らかに山を登っているという感じはした。富山地鉄と言えばすぐに扉を閉めることで有名だが、乗り降りがあるときも同様である。

越中舟橋駅にて
景色の抜けがえぐいんじゃ

横江駅は純然たる無人駅で、利用者数は1日平均50人少々である。今回向かうのは『立山サンダーバード』というコンビニである。県道沿いに歩いてきたら黄色の目立つ看板が見えてくる。店内で写真を撮ることはほとんどできないのだが、変な飲み物も変なおにぎりも変なサンドイッチも世界のタバコも売っている店である。ひとしきりお土産も買って帰って横江駅で写真を撮る。立山行き特急が通過していくのをギリギリみて駅を舐めまわすように撮影する。もともと横江駅は1面2線の交換可能駅だったようで、かつて駅で運行業務と取り扱っていた跡も確認できた。30分ばかし待っておけば富山行きの普通電車がやってくる。

立山サンダーバード
地鉄特急が様になる

地鉄電車は中途半端な駅から乗ってくる人はほとんどいない。また、途中の交換待ちなどの時分についてはYahoo!乗換案内でも正確な記載がされていない場合も多くあったように感じられる。例えば榎町10:09→五百石10:17(発着時間同じ)と記載があるが、実際は特急電車の退避のために停車している時分のほうが長い、などである。30分弱で寺田に着く。寺田も番線がよくわからないことになっていて、駅舎側立山行き4番線、富山行き3番線、1番線、宇奈月行き2番線となっている。3,1番乗り場は同じホームであり、真ん中に駅舎と事務室があったようである。今は自販機があるだけである。

乗り場案内
立山線ホームを眺める

先に上市行きがやってくる。その後岩峅寺発の富山行きから接続を受けるように宇奈月温泉行がやってくる。4,5人しか乗っていなかったように見受けられる。上市で方向転換するのだが、その手前相ノ木、新相ノ木の両駅は本当に1秒もドアが完全に開いていなかった。

上市では先の当駅止め電車が富山行きの準備をしていて、その間に運転士氏が折り返しのためホームを移動する。この先も1,2分ごとに駅に止まっていく。

スイッチバック中
あいの風・滑川駅

滑川ではあいの風線を左に見る。ワンマン富山行きが発車していった。その先しばらく並走するが、同じ場所に駅はなく互い違いに駅を置いている。そのうち地鉄が海沿いに出て今度は魚津で合流する。地鉄ーあいの風間には車庫が挟まる。拠点駅となる電鉄黒部で下車する。こちらはあいの風の黒部駅とは少々離れている。

魚津駅
電鉄黒部駅

待ち時間に自由席特急券を購入(※一日乗車券に含まれる)ともぎり式の入場券を購入。自由席特急券に駅員を推していただくという粋な計らいをしてもらったところで特急「くろべ」号の発車時間となる。車両は元京阪3000系であるが、ダブルデッカーエキスプレスではなく、普通列車と同じである。現在宇奈月温泉を発着する特急はこのくろべ号のみであり、電鉄黒部・新黒部・宇奈月温泉と停車する。この特急電車の目的はあくまで黒部宇奈月温泉ー宇奈月温泉間の接続であるため、電鉄黒部からの乗客は私だけであった。

駅名標と一緒に
誰がどう見ても京阪電車

【参考】
金沢9:17→はくたか558→黒部宇奈月温泉9:52
  新黒部10:16→宇奈月温泉10:33
東京9:32→はくたか557→黒部宇奈月温泉11:52
敦賀9:58→はくたか560→黒部宇奈月温泉11:33
  新黒部12:07→宇奈月温泉12:24
東京10:33→はくたか559→黒部宇奈月温泉13:00
敦賀10:58→はくたか562→黒部宇奈月温泉12:34
  新黒部13:16→宇奈月温泉13:38
宇奈月温泉10:35→新黒部10:52
  黒部宇奈月温泉11:08→はくたか555→金沢11:43
  黒部宇奈月温泉→11:33はくたか560→東京13:52
宇奈月温泉12:32→新黒部12:49
  黒部宇奈月温泉13:00→はくたか559→金沢13:36
  黒部宇奈月温泉13:33→はくたか564→東京15:52

新黒部では駅員が見守る中、ちょうど着席定員くらいの利用者が乗ってきた。ここからは普通鉄道と言いながら山登りの区間になってくる。下立口駅あたりからは田園風景とは変わって更に山という印象を受ける。浦山で対向列車と行き違いをしてほぼ25パーミルをうなりながら登っていく。新黒部から15分ほどで宇奈月温泉に到着。そのまま先に向かえば足湯があるが一旦富山方の改札を出て黒部峡谷鉄道へ乗り換える。

足湯
黒部峡谷鉄道

黒部峡谷鉄道のきっぷは当日購入窓口がたくさんある。購入したのは5号車自由席。リラックス車輛は窓付きではあるが、トンネル内部の涼しさを感じられるのは窓無し車両である。猫又で折り返し運転になる旨乗車券に記載されているのは今のうちであろうと考えれば欅平まで行けないことのデメリットくらい気にしない(キャニオンルートは今度行けばいい)。改札は10分前に始まる。団体旅客とは別に改札されるのでその点は快適である。自分の乗る車両は10人ほどで、団体旅客が詰められているのに比べれば楽なもんである。

きっぷの記載に注目
トロッコ

13両編成のトロッコは15km/hのスピードでどんどん登っていく。黒部川を右手に眺めながら次々に観光案内が入っていく。周りの建物は関西電力の物ばかりである。目の前に発電所がある柳橋駅を通過。森石も通過して黒薙に着く。黒薙では結構な人が降りて行った。何をするのかはよくわからないが…笹平で対向列車を待たせて通過し、ダ白井らを過ぎたら終点の猫又となる。猫又では機関車を取り換えて反対方向に進む。笹平でトイレ休憩をして黒薙、宇奈月と戻る。峡谷の風景の良さは写真を見てもらった方がよかろう(ちょっと長くなりすぎた)。

猫又駅
この急カーブも魅力

今度は徒歩で川を上っていく。山彦橋には「景観は富山県の財産です」と書かれていた。その先を歩くと冬期歩道がある。これは積雪期間に点検するための通路とのことである。その先黒部川沿いに進んで湖面橋を渡りトンネルを抜けてしばらく歩くと「宇奈月温泉木管事件碑」がある。これが目当てであった。法律学を学ぶとまず知っているはずの事件がこの宇奈月の地で起こっている。権利濫用という概念を我が国においてはじめて認めた事件として知られており、被告は富山地方鉄道である(大判昭和10年10月5日大民集14巻1965頁)。

山彦橋から眺める
法律オタクさん??

そのまま引き返すには汗ボトボトであるので、その先にあるとちの湯まで行く。露天風呂であって、外から見えるとまではっきり書いてある。汗を流してまた来た道を帰ろうとしたら「美女平は大雨だ」との連絡が。本当に雨が降ってきたので慌てて傘を差しながら戻る。道を間違えてギリギリになりながらも宇奈月温泉まで戻る。

とちの湯
柳橋駅を眺める

宇奈月温泉駅から新黒部へ出る。乗ってくる人はいなかった。舌山で列車を交換して新黒部に向かうはずが対向列車がなかなか来なかったりして、6分遅れで新黒部に着く。駅員は15時半で引き上げたようで、無人駅になっていた。黒部宇奈月温泉/新黒部駅はそれぞれにロータリーがあり、大きな駐車場がある。黒部市の物産施設が駅とは別にあったりと、地域に密着した駅になっているなと感じる。2020年頃までみどりの窓口があったが、今はもう券売機プラスになっている。ますのすしと酒を買って乗り込む。通過想定で大幅に手前にされている関係で反対ホームがものすごく遠くに感じる。接近放送も停車より通過のほうが大幅に速く行われているようである。

宇奈月温泉駅
交換待ちの舌山駅

乗り込む電車ははくたか号敦賀行き。東京―敦賀間直通のはくたか号はこれが最後であとは全部かがやき号になっている。各駅に止まるこの電車に乗り込んで優勝させていただく。ますのすしの臭さが隣に座っている方(新高岡で降りられた)に申し訳ないとは思ったが仕方ない。

旅行の情報を整理してトイレに行ったタイミングで何か和気あいあいとしているなと思ったら、11~13列以外はほぼ満席で、クラブツーリズムのバッジを付けている人ばっかりになっていたのである。団体客に挟まれるのは結構滑稽な話ではあるのだが、そこまで騒がしくはなかった。

はい優勝
まだこの時間から東京に行ける

ふと落ち着いたところで敦賀に着く。そのままサンダーバードに接続していない列車だったので在来線ホームを見に行ったりした。なぜか発車案内の両数が隠されているが基本的には合致している。ハピライン線ホームに降りれば白シャツの車掌が快速電車に侍っていた。

まだまだ増発の余地がありそう
このダンジョンみが良い

ところで、在来線・新幹線の乗り換えは意外と大変ではなさそうではあると思われる。動く歩道で留置線を跨いで北陸新幹線・在来線特急の要塞に至ることができる。33・34番乗り場に行けばしらさぎとサンダーバードが止まっている。ほぼ満載になって敦賀駅を発車する。もう夜だからええだろうと話は置いておいて、大津辺りでデッキに立つ。

「次のトンネルを抜けますと京都に着きます。お出口は右側です」

雪国から帰ってくる人を相応しい車掌氏のアナウンスとともに旅を終えた。

旅程表はこちら。

福井 6:32 かがやき502
富山 7:21
電鉄富山 7:40 市内電車
富山駅 7:43
電鉄富山 8:02 地鉄線
稲荷町 8:05
8:13 地鉄線
横江 8:53
9:55 地鉄線
寺田 10:23
10:51 地鉄線
電鉄黒部 11:45
12:02 特急
宇奈月温泉
宇奈月
12:24
12:40 トロッコ
猫又 13:37
13:39 トロッコ
宇奈月
宇奈月温泉
14:28
16:43 地鉄線
新黒部
黒部宇奈月温泉
17:07
17:43 はくたか569
敦賀 19:18
19:44 ダバ44
京都 20:38


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