JR西 2022年春ダイヤ改正の予想をする

2024年8月24日未分類

JR西日本は昨今のダイヤ改正で減便を行っている。そして22年春改正でも実施を予告している。

(今回前置き長いですご了承を)
正直昼間時間帯の本数削減は10月改正でほぼやれることはやってしまっている気がする。(毎時2→1など)しかし、毎時1本の運転の線区を2時間に1本に減らすという可能性も十分あり得る。(ちなみにこれはかなりクリティカルな減便と個人的には考えている)例えば21年春改正で山陰線:胡麻ー福知山間はしれっと毎時1本から2時間に1本に減らされている。
このようなサイレント減便に近しいことも行われる可能性が十分あり得る。
また、以下では言及しないものの、ダイヤサイクルを近畿圏では基本15分サイクルのところを20分サイクルに変更するという荒業も可能性が十分ある。ちなみにこれをするとかなり競争力は落ちる(阪急、阪神、近鉄奈良線が10分サイクルなため)。その場合下で行った議論はほとんど妥当しなくなる。そのまま3/4倍すればいいところが多いためである。。
白紙改正に関して追記:(大阪ステーションシティ開業に伴う)2011年ダイヤ改正で大和路線、阪和線、環状線で20分サイクル(普通電車は10分サイクル)を15分サイクルに敷きなおして以来行われていない(なおこの改正でJR宝塚線快速が昼間JR東西線直通より大阪行き主体に変更された)。また学研都市線(片町線)もJR東西線開業に伴い20分サイクルから本線などの15分サイクルに統一された。2023年におおさか東線北梅田(大阪)延伸および北陸新幹線敦賀延伸があるため、そのタイミングの大規模改正を意識した改正である必要があろう(不用意にダイヤサイクルをいじれない側の理由である)

では実際の運行サイクルを見て考えてみる。今回はパターンダイヤを実施している線区を中心に扱うため、山陰地区や芸備線などより1本の減便が大きい影響を及ぼす線区を扱いきれないことをご了承願いたい。
また特急電車(サンダーバードやはるか、やくもなど毎時運転するようなもの)についての考察は行っていない。

なお、以下にある図では点線部分で表しているのは昼間はないが、朝夕時間帯はある本数と言うことになる。オフピークだけカットというものであるが、一部線区では単純に表すことができず反映を必ずしもしていないこと、簡略な図にするため省略していることをご了承下さい。一応通勤時間帯に言及したところもあるが遍く言及したわけではない。

姫路~大阪~米原~近江塩津 (以下の画像は拡大できます)
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※尼崎での直通、乗換を正確には表せていません
21年秋の改正では西明石須磨間、京都高槻間の点線部分の時間帯を増加、米原長浜間では新設となった。そのため、小規模な改正で考えると姫路加古川間、および野洲米原間の毎時4本の時間帯(点線部分)を削減するというのが最も手っ取り早い。また快速や夕方の新快速が山陽線に直通しているがそれを減らすことも考えられる。
この図には表せていないが草津線直通列車(夕方京都ー草津間)を減らすという調整方法も考えられる。
草津線は昼間草津ー貴生川、草津ー貴生川ー柘植がそれぞれ毎時1本づつ。夕方は全線通して毎時1本程度増える印象。京都草津間の普通電車を増やす目的を兼ねて草津線と琵琶湖線の直通が行われている。

湖西線 北陸線(敦賀ー金沢)
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湖西線はこのほど21年春の改正で点線部分(京都ー堅田は主に土休日)の減便が実施された。(夕ラッシュ時間帯は新快速の直通はなくなり結局普通電車4本程度の運転となる)
これ以上湖西線で減便しようがない気もするため湖西線を直にいじる改正にはならないと予想する。
また敦賀ー金沢間の北陸本線はそれぞれ福井県、石川県の第三セクターに移管することが決定している。福井県に関しては特に現状からの増便を図る計画を策定したためおいそれとJRがダイヤを変更することは難しいと思われる。(それでもなおダイヤ減便をするほど利用者が減っている場合は別である)

奈良線
奈良線は普通電車が京都ー城陽間で2本、京都ー奈良間で2本、みやこ路快速が京都ー奈良間で2本である。ここから減便を行うとすれば
①京都ー城陽間を京都ー宇治間に短縮(救済としてみやこ路快速を単なる快速へ落とす)
②京都ー奈良間普通とみやこ路快速を統合し、区間快速(宇治ー奈良間各駅停車)とする。救済として京都ー宇治or城陽間普通電車を毎時2本運転する。
この2通りが考えられうる。もっとも需要回復に耐えうるダイヤにはならない。(②に関しては近鉄との競争放棄である)

山陰本線
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京都ー嵯峨嵐山間の点線部分が減便された。この分は需要回復によりすぐ戻る可能性が高い(2016年に需要増大を受けて増便した分であるため)。他方胡麻ー福知山間は昼間2往復を減じられたがこの分の本数が戻るとは思えない(となると特急以外の需要が先細りする負の循環の第一歩を歩み出したわけである、21年春減便具合に関して福知山ー浜坂間も似たり。)
9月22日追記:


福知山線 JR東西線 学研都市線

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この路線(特に篠山口ー木津)は昼間ダイヤ(上記画像)と昼間前後ダイヤが大きく異なる。(それぞれ丹波路快速と快速、快速に置き換えられる。また快速区間がそれに伴い伸び、普通電車の運転区間も新三田、あるいは松井山手まで伸びる。更に京橋ー四條畷間は普通電車が毎時2~4本程度増え、土休日に関しても学研都市線はそれに応じた朝用パターンダイヤがある)
よってやり方としてはその快速や丹波路快速が登場するダイヤの時間帯を減らし、上記パターン適用時間帯を増やすという手っ取り早い方法があり得る。

加古川線
加古川ー厄神、加古川ー西脇市が毎時1本づつ。平日朝夕は全体の本数が毎時3本まで増える。簡単に加古川ー厄神のほうを減らすことや、朝夕ラッシュを減じる可能性がある。
西脇市ー谷川間は毎日9往復だが、最初1往復の土休日運休を平日も取りやめるという手段がありうる。

播但線
特に電化区間では積極的なダイヤ変更がここ数年続いた。(2021年春ダイヤ改正でも電化区間で3本の増発、非電化区間は山陰線への直通を実施)
電化区間は姫路ー福崎が毎時1本、姫路ー寺前が毎時1本というダイヤ。恐らくこの体系を変える変更は実施しづらいだろう。非電化区間は昼間2時間に1本程度まで減らされているためこれが戻るか否かが勝負であろう。(22年春改正では厳しいのは言うまでもない)

姫新線
社会実験によって増発した区間(姫路ー播磨新宮毎時2本、姫路ー余部間適宜)は減便しづらいだろう。他方その先播磨新宮ー佐用間が更に本数が減らされかねないのは今後の注視に値する。

環状線、桜島線
環状線はパターンダイヤの変更があっても(20分サイクルになっても)12本運転は維持するだろう(維持しないと市内交通として勝ちえない)。桜島線は環状線直通の本数を調整するダイヤとなるだろう。(線内の本数を直接減らし続けるとは考えにくい)

大和路線 関西本線

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大和路快速を区間快速にしたとて線内ではなく環状線内の話であるから、減便するとすればパターンごと削らないといけないためそのレベルの改正が来ないと難しいだろう(そうでなくても高田直通快速を減らすなどしているから既に減らし切った姿ではある)
なお夕ラッシュは平日は難波発の快速が毎時2本程度。普通電車が6本。大和路快速が区間快速となる(線内停車駅は変わらず)。土休日もJR難波発の快速が2本程度、普通電車は平日程のラッシュをなさず毎時5本程度。
加茂亀山間非電化区間は毎時1本を超える分(こと加茂ー伊賀上野間)がどれほど残るかがポイントになりそうだ。

和歌山線 桜井線
奈良ー桜井ー高田ー橋本ー粉河ー和歌山が毎時1本、奈良ー桜井が毎時1本。上述高田直通快速の成れの果て、王寺ー高田間が毎時2本。21年春改正まではここに粉河ー和歌山が毎時1本加わっていたが、このうち4往復が削られた。次削るとすれば奈良ー桜井間か。

阪和線 きのくに線
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阪和線は夕ラッシュ時間帯普通電車が日根野か1駅手前の熊取まで5本程度。天王寺ー和歌山間全線快速運転の快速が毎時2本、関空紀州時快速(日根野ー和歌山間各駅停車)が毎時4本。計毎時11本。平日夕ラッシュはここに天王寺日根野間快速が毎時2本加わる。
本数だけで見れば昼間も区間快速と普通を統合してもおかしくなさそうである。少なくとも大和路線よりはテコ入れしやすい(2011年の大改正以来大和路線は幾度と快速を減らされたのに阪和線はほぼそのままである)
きのくに線の湯浅御坊間は21年春改正で”休便”扱いとなる電車が4往復出ている。いづれも御坊紀伊田辺間電車に連絡しないものであるが、この分に関して運用が減ったわけではないため、必要になれば(少なくとも22年春ではない)復活は早いだろう。むしろ御坊ー紀伊田辺間が減らされないか心配である。

山陽本線(姫路ー三原) 赤穂線
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(岡山での直通乗り換えの考慮はなし)
相生ー上郡間、赤穂線の兵庫方も21年秋改正で減便。岡山方瀬戸ー和気間と赤穂線西大寺ー長船間に追随した形。減便をするとすれば三原ー福山間を毎時2~3(不安定)本を毎時2本に刈り取る形だろう。また岡山ー福山間は21年春改正で土休日夕ラッシュの快速サンライナーが減ったこともあるから、それが平日にも及ばないかも心配である。
順番は前後するが、姫路ー網干間の新快速、普通(快速)の本数が減る可能性もある(無論網干に車庫があるため運用の都合上減らせる分に限ってどんどん減らしそうである)

伯備線
岡山方は毎時2本の運転、3本に1本程度が新見行、他は備中高梁行きであったのを20年改正で3往復総社止めにカットした。改正の方途としてその総社止めを増やすというのがあろう。

山陽本線(糸崎ー小倉)
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広島地区はシティ電車の先駆的区間であったのに最早見る影もない。これ以上減らすのは難しいだろう。白市糸崎間の毎時1本の時間帯をこれ以上拡大、減少させることで需給を調整しそうだ。
岩国ー下関間は下りに関して毎時1本であることはある程度はっきりしているが上りはそうでもない。多少増減便してでもそろえた方が必要な需要は拾えそうなものだが…
小倉下関間は九州へ渡る需要との兼ね合い、および直交流車の趨勢によるだろう。少なくとも需要減でのダイヤ改正を行うか否かの決定権はむしろJR九州にある。

七尾線、氷見線、城端線

毎時1本程度づつある路線である。昼間に間引きをする形の減便は想定され得るが、21年秋改正でやらなかったからあまり可能性はない可能性がある。

・まとめ
一応予想として減便が濃厚と思われる区間を列挙する。当たってほしくはないが答え合わせは12月である。

・夕方の草津線直通電車(京都ー草津間)
・奈良線(方法複数)
・JR宝塚線、学研都市線(昼間ダイヤの拡大)
・桜井線(奈良ー桜井間)
・加古川線(加古川ー厄神)
・朝方の環状/桜島直通電車(京橋ー西九条間)
・大和路線夕方の普通電車(毎時6本→??)
・阪和線(昼間区間快速と普通の統合)
・山陽本線(姫路ー網干間)
・伯備線(総社ー備中高梁間)



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