「上野に止まらない新幹線」からみる新幹線の姿

2024年10月19日ダイヤ改正

日本のターミナル、東京駅。日本各地への新幹線が走る。そのサブターミナルとして活躍する品川駅は一番最後に開業した東海道新幹線の駅であるのに全ての列車が停車している。

他方昔からの北のターミナル、上野駅。北の新幹線は大宮まで、上野まで、東京までと伸びてきた。しかしこちらはほとんどの新幹線が止まるのに通過するものがある。

そいつらなんだべという話である。まずは時刻を示す

①上越新幹線

とき311号 とき312号
東京   9:12 新潟   9:05
大宮 9:33 9:34 大宮 10:20 10:21
新潟 10:48   東京 10:43  

これ以外の列車では上野・長岡に必ず停車する。

②北陸新幹線

かがやき509号 かがやき514号
東京   10:24 金沢   17:56
大宮 10:46 10:47 富山 18:15 18:16
長野 11:43 11:45 長野 19:02 19:04
富山 12:31 12:32 大宮 20:00 20:01
金沢 12:51   東京 20:23  

これ以外のかがやき号は東京・上野・大宮・長野・富山・金沢と停車駅同一

③東北新幹線

・はやぶさ 7本

はやぶさ47号 はやぶさ2号
東京   21:36 仙台   6:37
大宮 21:58 21:59 大宮 7:43 7:44
仙台 23:06   東京 8:07  
 
はやぶさ7号 はやぶさ4号
東京   8:20 新青森   6:18
大宮 8:42 8:43 八戸   6:42
仙台 9:50 9:51 盛岡 7:10 7:13
盛岡 10:30 10:31 仙台 7:51 7:53
新青森 11:18 11:20 大宮 8:59 9:00
新函館北斗 12:17   東京 8:23  
 
はやぶさ13号 はやぶさ44号
東京   9:36 新函館北斗   17:26
大宮 9:58 9:59 新青森 18:23 18:25
仙台 11:06 11:07 盛岡 19:13 19:14
盛岡 11:46 11:47 仙台 19:53 19:54
新青森 12:34 12:36 大宮 21:01 21:02
新函館北斗 13:33   東京 21:23  
 
      はやぶさ/こまち6号※
      秋田   6:09
      大曲   6:41
      盛岡 7:35 7:37
      仙台 8:16 8:17
      大宮 9:25 9:26
      東京 9:47  

※2022年春改正以降はこまち6号(時刻変更なし、盛岡での10両増結がなくなるのみ)

・やまびこ/つばさ 2本

やまびこ131号 つばさ131号
東京   9:24 東京   9:24
大宮 9:46 9:47 大宮 9:46 9:47
福島 10:45 10:50 福島 10:45 10:48
仙台 11:13   米沢 11:20 11:21
      山形 11:50 11:52
      天童 12:01 12:02
      東根 12:07 12:07
      村山 12:11 12:12
      大石田 12:20 12:21
      新庄 12:35  
 
やまびこ124号 つばさ124号
      山形   7:08
仙台   7:45 米沢   7:38
福島 8:07 8:15 福島 8:13 8:15
大宮 9:13 9:14 大宮 9:13 9:14
東京 9:35   東京 9:35  

さて、理由。恐らくこれら列車が各新幹線の最速列車になっているのではないかという予測が立つ。苦肉の策なのかなになのかわからないが、こうでもして宣伝にしていると言えるだろう。
特に北海道新幹線:新函館北斗ー東京に関しては上掲列車が3時間57分。(次点と思われる29号は14:28東京発から18時40分新函館北斗着と、こまち解結がないのに4時間12分。)
上野駅を通過することによって2~3分の短縮が見込める。もし全列車上野停車とすれば4時間丁度となる。できれば一番頭の数字を小さくしたい。その意図もあるだろう。298、498のような価格がつくのと同じ理由と思われる。
できれば他の区間(福島ー東京、八戸ー東京などなど)で同様に再速達列車になっているか確かめておきたかったが、どなたかが確認してくれるだろうとしてずぼらする。

1分を削りだす、という姿勢はJR東日本や北の新幹線が特に強い。上野~大宮間で130㎞運転を実施し、1分の速達化を実施。青函トンネルも速達化を実施している。
これらは自治体の要望もあるようにも考えられる気もせんでもない。(九州新幹線の新久留米などのさくら停車なども似たような系統を感じる)

他方東海道新幹線は設備を最大限利用し、東・名・阪の多くの客をさばくことにシフトしている。昔は「名古屋飛ばし」のぞみを走らせるなどしていた(これは大阪に9時に出社できるようにビジネス需要を満たすためもあった)。しかし、今やのぞみ12本ダイヤが象徴するように、高速鉄道×高頻度運転のモデルを示している(なお、そのようなケースが外国を見てあるかはわからない)

東西の新幹線の思想を上野駅の通過から感じられたら幸いである。