京阪線 臨時ダイヤで大幅減便

2024年4月26日ダイヤ改正,京阪電車

京阪電車は地方自治体の要請に基づき緊急事態宣言発令中の土休日(2021年5月1日以降)を臨時ダイヤでの運転とすることなどを発表した。

9月14日注記:京阪電車の9月25日以降のダイヤ改正(平日土休日とも15分ヘッドへの変更など全体的な減量改正)に伴い、臨時ダイヤの実施必要性が欠けたこと、混乱を招くことなどから9月25日土曜日以降は新・通常ダイヤでの運行となる(プレミアムカーも再開される)
臨時ダイヤの実施期間は5月1日~6月20日、8月27日~9月24日の土・日・祝日となった。

ここでは応急的対策を詳細に見ていきたい。

概要はHPにも記載されている。

①終電繰り上げ
この項目は平日を含む4月28日からの実施、となった。淀屋橋・出町柳からの列車3本が運休。
・京橋から樟葉方面の時刻(抄)
24:03 普通 萱島(中之島発)
24:12 準急
24:18 普通 萱島
24:27 深夜急行 樟葉 ←運休
24:28  普通 萱島 ←運休

淀屋橋~天満橋間の終電が18分繰り上がる。京橋~萱島間の準急通過駅へは10分の繰り上げとなる。また深夜急行の運休も特筆すべきだろう。停車駅となる寝屋川市・香里園・枚方市・樟葉への終電は約10分繰り上がる。

・出町柳から淀方面の時刻(抄)
24:00 普通 枚方市
24:19 普通 ←運休
出町柳から淀までの各駅の終電が20分繰り上げとなる。

なお、それぞれ逆方向への終電繰り上げはない。

②プレミアムカーサービス中止
5月1日以降の臨時ダイヤ実施日は特急列車の大半に連結されている有料座席プレミアムカーが利用できない。これは座席指定であるプレミアムカーが、臨時ダイヤの急遽設定により処理できないとの判断であろう。なら無料で開放してほしい

③臨時減量ダイヤ
ここではまず京橋駅の土休日ダイヤと臨時ダイヤを比較する。
・昼間
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これが土休日ダイヤ。平日と共通だが特急6本、準急6本がいづれも淀屋橋ー出町柳間、普通6本は中之島線発着で2本が萱島止め、4本が枚方市行き。基本的には各駅停車列車が全線にわたり6本(萱島~枚方市間は10本)確保されている。この昼間パターンダイヤは若干違うものも含め約7~8時間にわたり利用されている。
これが減便ダイヤになるとこうなる。
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おおよそ半減である。ただこの昼間のパターンは6時間程度に抑えられている。準急が均等に10分間隔でないが、退避が発生するわけでもなくそのままのパターンで枚方市まで運転される。

・朝時間帯
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上下で比較すればわかるが、通常ダイヤでは快速特急や急行が運転されるのに対し、減量ダイヤではそれを減らし準急がやや多めになっている印象である。とにかく京阪間の移動を避けたいという狙いであろう。
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・夕方時間帯

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通常ダイヤでは基本パターンをそのまま12分毎に引き延ばしたように見えるが、なぜか原料ダイヤでは区間急行(緑)や快速急行(紫)が見られる。おそらく意図するところは各駅停車が萱島止まりであることを考えれば遠近分離をより強力に行いたいということであろう。また減量ダイヤは15分サイクルとなっている。流石に夕方以降は半分という大ナタを振れなかったのだろう。
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また駅と時間帯を選べば、通常ダイヤよりも本数が多いところも見られたりする。これはあくまで利用者が特定列車に集中しないようにするための施策であると考えられる。萱島から京都方へは準急が各駅に停車するため。普通電車の運転は極力大阪市内~萱島までになっていることも注目できるだろう。
例)寝屋川市から淀屋橋・中之島方面の5~9時台
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臨時ダイヤは各時刻の割付が横に伸びているので比較しにくいが、ほとんど本数が変わらず種別だけが置き換わっていることがわかるだろう。

以上のことから、土休日だけ単純な減便ではなく、①昼間は半減(おそらくそれでも持つという判断でしょう)、②朝夕は大阪方でできるだけの遠近分離を図る、③快速特急を0本にし特急は終日毎時4本以下に抑えて都市圏の移動を抑制する、という3点が今回の減量ダイヤの主眼であろう。

なお支線ダイヤも概説すると、朝は10分間隔、昼間は20分間隔、夕方以降は15分間隔(いづれも各駅停車、通常時は終日10分間隔)となっている。これは本線(・鴨東線・中之島線)のサイクルに呼応したものである。


5/1追記
実際に減量ダイヤが運用された。特急について、プレミアムカーサービスの中止が発表されていたため、6号車(プレミアムカー)を回送扱い、または無料開放とするのであろうと思っていた。しかし実際には2600系を始め一般形車両が特急として運転された。
また推測するに、京阪電車はこの臨時ダイヤをあらかじめ用意していたのではないだろうか。正月期の臨時ダイヤや、秋の臨時ダイヤがあったことを考えれば何ら不自然ではないだろう。