JR東が示したSuicaの将来像とは

未分類

JR東日本はニュースリリースにて、Suicaの当たり前を超えると述べた。結局これが何を意味するかということを少し考えてみたい。

Suica の当たり前を超えます ~ Suica Renaissance ~

目指している将来像は概ね10年程度を見越したものとして、
・2026年秋にはモバイルSuicaniコード決済を追加
・Suicaアプリの開発により、2028年度には割引、クーポンなどを提供できるようにする
・10年以内にはチケットや SF などのバリューをセンターサーバーで管理するシームレスで便利なサービスの提供
を目指す

となっている。そして、その下の当たり前を変えた未来が以下をもくろんでいる。


移動

・タッチがいらないウォークスルー改札
・JR東日本全線が利用可能へ
・事前チャージがいらない後払い

まず、Suicaは現在、センサーサーバ化を順次進めている(北東北3県についてリンク)。これによれば、ICカードに入れておく記憶容量以上のことができるし、改札の改修コストなどを大幅に下げることができる。

そうすると、例えば鉄道について割引のサブスクを提供できたり、他のチケットなどを”搭載”することができるというわけである。さらに、ウォークスルー改札も位置情報を利用する形などで実現させようとしている(cf.JR西日本は顔認証改札を実証実験中)。これを超えて最後は2027年春、Suicaエリアを統合して、JR東日本全線でSuicaエリア間を移動できるようにする(cf.JR西日本は2018年ICOCAエリア統合、JR東海は2022年から10~15年かけてTOICAを自社線全部に導入することを公表済)。

なお、未導入エリアは画面表示等で利用可能な「スマホ定期券」を導入するとしている(cf.JR四国は「しこくスマートえきちゃん」を、JR東日本は東北エリアでQRコード改札である「えきねっとQチケ」を導入済)。また、事前チャージを超えるとしていて、クレジットカードとの紐づけでの後払いを目指しているとしている(cf.PiTaPaはそのような構造、モバイルSuica・PASMO・ICOCAについては、クレジットカードで「チャージ」が可能)。

Welcome Suicaについても、モバイルSuica型のものを提供するとしている。

決済

・地域限定バリューによる地域活性化
・個人間での決済を電子マネーで
・2万円以上のお買い物

少額決済については、10カードの限界である2万円をバーコード決済で実現するというものである。そのうえで、地域限定クーポンなどを配るというのは以下のところである。

地域

・地域交通事業者(デマンドバス、ライドシェア)
・便利な行政申請
・地域を常に見守り
・給付金を地域バリューで受け取り

現在も地域連携ICカードという形で地域の交通事業者との連携があるがこれを発展させるというのである。更にはマイナンバーカードとの連携をすすめて行政サービスの簡素化等も見据えているとしている。

結局なにがしたいのか?

形式的な中身、JR他社の実施施策のいいところ取りという側面がある。自社サービスエリアだけで完結するのであればガラパゴス化とのそしりを免れえない。今後、JR東日本のリーダーシップに期待したい。