中央線支線延伸認可! 運輸審議会資料をみる

2024年6月28日大阪市交通局/Osaka Metro

2024年6月28日追記 無事特許されました

大阪メトロ・中央線に係る軌道事業の特許について ~大阪メトロの森之宮検車場内に新駅を設置して旅客運輸事業を行うことで、まちづくりが進められている大阪城東部地区までのアクセス利便性が向上します~

Osaka Metro 中央線 森ノ宮駅から(仮称)森之宮新駅間の軌道事業の特許を取得しました


国土交通省運輸審議会は18日、Osaka Metroから申請のあった軌道事業(中央線支線森ノ宮~森之宮新駅間)特許について、国土交通大臣が諮問なしで処分ができると認定した。近く国土交通大臣から軌道法に基づき特許される見込みである。

(タイトルは認可と書いてますが、法令上は「特許」です)

大阪メトロからの中央線延伸に係る軌道事業の特許申請について

また、このほど、運輸審議会で配布された資料が出たのでこれを読んでいく。

運輸審議会 諮問関係事案の審議状況
(2025年以降見る場合は令和6年のところをクリック)

まず議事概要によれば

・地元からの反対意見はない
・大阪府市からの要望をうけたもの
・森ノ宮駅の改良の予定はない
・大阪公立大学森之宮キャンパスは6000人規模である
・森之宮新駅は1面1線である

とのことである。

また、説明資料を見れば、

・大阪公立大学森之宮キャンパスは2025年秋設置
・事業費は50億円で、Osaka Metroが全額自己負担・内部留保で建設
 ・停留場が28億円、電力設備が13億円が主
 ・なお、上記建設費は20%の物価上昇を見込んだ価格である
 ・損益収支は2033年で単年度黒字、資金収支は2028年に単年度黒字
・開業予定は2028年4月
・運輸収入は約3億円で、1日2万人程度の利用を見込む(森之宮新駅は1.1万人程度利用見込)
・なお、加算運賃を設定せず、他路線とは通算運賃とする
・運転本数は上下15分間隔(上下毎時8本)とし、大規模イベント時は臨時列車、森ノ宮駅からの直通列車を検討
・経緯についても記載(過去のリンクを下に入れています)
・路線は新規建設が300m程度で、全部地上(既設区間はトンネル内)
・工事のうち、信号通信、電力工事は来年度から早速始まることになる
・車両は新造されない

ということである。ちなみに、50億円がどれくらいかというと

地下線である
・東京メトロ有楽町線(豊洲ー住吉間4.8km)が2960億円
・同南北線(品川ー白金高輪間2.5km)が1310億円 リンク

地上線である
・宇都宮ライトレール(東部区間14.6km)が684億円:キロあたり46.8億円 リンク
・ひたちなか海浜鉄道湊線延伸(3.1km)が126億円:キロあたり40.6億円 リンク
・北大阪急行南北線延伸部(2.5km)が車両費抜きで811億円:キロあたり324.4億円 リンク

というあたりである。地下鉄・第三軌条の延伸をみたが、やはり地上既設線の利用ということで、路面電車や、ローカル線のほうが事業費の規模感としては似ていることになる。

前から何度も使っている大阪公立大前駅の駅名標風
もくじ

経緯

2016年1月:森之宮車両工場閉鎖、全般検査部門は北加賀屋へ統合
2020年9月:大阪城東部地区のまちづくりの方向性について大阪府市から示される(検討会リンク
2022年11月16日:読売テレビが、森之宮検車場敷地内・大阪公立大学新キャンパス前に新駅設置との報道
2022年12月21日:Osaka Metroが森之宮新駅構想について言及(リンク
2024年3月27日:本件申請に至る(リンク
2024年6月18日:運輸審議会事案認定←いまここ
2025年:大阪万博
2028年春:新駅開業(へ)

参考リンク:

【中央線】森之宮新駅は単線ホーム・15分間隔で運行へ…延伸線の概要を発表(Osaka-subway.com様)