駅名の英字の怪 3選
鉄道駅名は基本的には漢字で書かれた地名ではあるが、その音訓に合わせて駅名標で英字が付記される。
その英字の振り方はヘボン式で、そんなに色が出ないはずなのだが、結構気になるものがあったので紹介したい。
①箕面駅(阪急電車箕面線)
Mino-oからMinohに変更された。
▲現在阪急箕面駅にある駅名標。
▲他方で、古い看板にはMino-oの文字がある@石橋阪大前
Minoh表記は箕面駅の駅名標、建物掲示の看板、運賃表など更新が進んでいるものはちゃんとなっている。他方でMino-o表記は箕面駅設置の駅スタンプや、箕面線への案内で前からあるものに残っている。
この変更の理由としては箕面市のHPに記載があり、外国語市民に分かりやすく他市と混同されにくいため、平成7年に市としてMinohに統一し、阪急電車にもこのことを申し入れている。
実際の変更時期は不明である。
参考:「箕面」のローマ字表記について(箕面市)
②神戸三宮駅・大阪梅田駅・京都河原町(阪急電車)
元々この3駅は三宮、梅田、河原町駅で、これらへの行き先を記載するときはそれぞれ
神戸(三宮)、大阪(梅田)、京都(河原町)と記載し、Kobe Sannomiya、Osaka Umeda、Kyoto Kawaramachiとされていた(支線の駅の場合には神戸、大阪、京都のみの記載の場合もある)。
▲十三駅での表記
これが2014年に三宮駅が神戸三宮駅に、2019年に梅田、河原町両駅が大阪梅田、京都河原町に改称されると、それ以降に設置された看板には
神戸三宮、大阪梅田、京都河原町と書かれ、Kobe-sannomiya、Osaka-umeda、Kyoto-kawaramachiとの英字が振られている。
▲十三駅でも、2014年~2019年に設置されたと思われる看板。
▲宝塚駅。張り直しの様子(Mino-oは貼りなおしていない…)。
阪急電車はハイフンの後の文字を徹底的に小文字にしているようで、ハイフンの後に来るものが「前」「北口」のようなものだろうが(例:石橋阪大前(Ishibashi handai-mae)、西宮北口(Nishinomiya-kitaguchi))、地名であろうが変えていないようである。
英語のキャピタリゼーション(語頭を大文字にすること)については、学術英語については結構種々の議論がある。他方で、駅名の場合は他社はハイフンのあとを大文字にしていることが多い。
▲近鉄電車の場合
③出町柳駅(京阪鴨東線・叡山電車本線)
他方で複合地名のはずなのに、ハイフンすらつけていない駅がある。京阪電車の終点にして叡山電車のターミナルである。
▲京阪電車の駅名標
▲叡山電車の駅名標
「出町」の地名は、京を出入りする場所ということで付けられ、柳はもともと「柳の辻」「柳の茶屋」と呼ばれた地名である。叡山電車ができたときに出町柳と命名されたようである。
そのため最早合成地名として認識されているかと言われればかなり難しいところで、これが一単語として扱われている節もある。
参考:上京まち歩きツアーコンテストの入賞作品について(内の出町の歴史と商店街のうまいものめぐり)
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