阪急なにわ筋連絡線、より詳細な構想が明らかに

2024年4月26日未分類

また産経新聞の独自記事が出ているので、これを見たい。

阪急電車の専務取締役へのインタビューで、阪急が構想するなにわ筋連絡線をなにわ筋と同時に開業させたいとするものである。これ自体は2022年12月に現社長へのインタビューで同時開業に向けて目指すとしている。

もくじ

これまでの経緯

運転本数・種別について
狭軌
駅構造

これまでの経緯

なにわ筋線は、JR難波・南海新今宮~大阪間を結び、現・おおさか東線を経由して新大阪から、関西空港までを結ぶ路線で、令和13(2031)年開業に向けて目下建設が進んでいる。同線はJRと南海の共有となるのであるが、元々の計画や、大阪駅地下ホームなどを考えれば南海電車が新大阪まで乗り入れるのが事実上決まっていたところである。

これに対して阪急のなにわ筋連絡線・新大阪連絡線は大阪~新大阪~十三を結ぶ阪急の構想路線である。新大阪連絡線自体は元々京都・神戸両線を新大阪経由で結ぶ予定の路線であったところであった。現在では空港連絡ネットワークの一翼を担う路線として期待されている。歴史的経緯から阪急は現在十三~新大阪の標準軌で建設する免許を有している。

前回(2022年12月)の報道時点では、阪急なにわ筋連絡線をなにわ筋線と同時開業を目指すというだけのものであった。新大阪~大阪間に関する鉄道事業の許可(標準処理期間:1~5ヶ月)を得ることから始めることも考えれば時間がかかるため、すぐ動いて何とか間に合うくらいではないかとみていたところであった。

今回の専務取締役へのインタビューで、なにわ筋線開業と同時開業を目指すことが改めて示されており、いよいよ阪急が本気であると言える。順次見ていくとする。

運転本数・種別について

新大阪から関空まで1時間当たり6本ほどの急行を走らせる。また、南海・JR西双方の路線への乗り入れを検討している。
現在の対関空輸送の電車は以下の通り(なおコロナ対応はともかくとする)
JR西:関空特急はるか(2)・関空快速(4)
南海:ラピート(2)・空港急行(4)
特急ではなく、急行がとしているのは「通勤客を取り込むため、予約不要の急行列車の方が適している」とのことであるから、単純に南海の列車を引き込むというつもりではなさそうである。本数としてはなにわ筋線毎時12本中6本程度を視野に入れていることになる(もちろんこれ以上本数が増える可能性はあるだろう)。
整備効果としては三宮ー関空80分、河原町ー関空95分など。現在のところは、三宮からは阪神線経由・JR経由で100分ほど、河原町からは堺筋線経由で110分ほど。

狭軌

関空から新大阪まで直通するために狭軌車両を導入する。阪急各線は標準軌である。そのため、南海に車両構造を合わせつつ、マルーンカラーの車両を走らせたいとしている。新大阪~十三の免許は上述の通り標準軌であるため、実際に建設に動くとなればこの辺りの手続きも必要になる。

駅構造

連絡線は地下線になるという。十三駅は駅構内の地下に作るとする。現有路線との連絡を考えれば妥当であろうと思われる。他方、新大阪駅はかつての新大阪連絡線のために土地を持っておりここもやはり地下に建設する想定とのことである。
地下線の建設は時間がかかる。東京メトロの南北線・有楽町線延伸についても、事業許可を受けた時点が2022年、完成時期が2030年代半ばである(参照)。既に開業予定まで10年を切っていることからしてこの辺り非常に気になっている。