北陸新幹線「2030年までに開業を」←できるの?
北陸新幹線の沿線自治体(建設予定地も含む)が新大阪開業を2030年末までに求める決議をしたそうな。
金沢~敦賀間は2024年春に開業が決定している。
しかし敦賀~新大阪間はルートが正確には決まっていない。
敦賀~京都間は今のところ小浜駅付近に駅を設置することになっている。
京都~新大阪間は松井山手駅付近を経由、駅設置とされている。
他には敦賀~米原ルート、敦賀~小浜~舞鶴~京都ルート、敦賀~小浜~亀岡~新大阪ルート、敦賀~湖西線付近~京都(東海道新幹線乗り入れ)ルートも検討されていた。
しかしこの小浜駅、松井山手駅に新駅ができるこのルート、概略だけは決まっているものの、工事の進捗もなければ環境アセスメント実施中という段階である。そのうえ採算ルートかどうかも実際怪しいという意見もある。
そのうえで、敦賀開業から6年で140km程度の建設開業はかなり急ピッチ、もっといえば不可能と思われる。しかも北海道新幹線(2031年春予定)より先んじての開業を求めるものであることを考えるとさらにその現実性の乏しさを感じられるだろう。
読者の中には「東海道新幹線は認可から5年で開業したではないか」と思われる方もいるだろう。しかし、当時に比して急峻な地形により高規格な線路を敷くこと、地元理解の必要性があること、工事費の高騰、さらに戦前の弾丸列車計画で工事が始まっていたトンネルを流用したことを考えればあの5年はまさに神がかっているというべきで、それを追随すべきというのは酷だろう。
そして誰がお金を出すのか。中央リニア新幹線はほぼJR東海が自前でやっているが、整備新幹線は補助金が多く出る。建設せよと各自治体がいうのは勝手だが、費用がなければどうしようもない。
しかし沿線自治体の苦悩もわかる。このままいけば北海道新幹線の開業以降になることを恐れているのだろう。敦賀開業から新大阪迄直通するまでの間、おそらく大阪からは敦賀で新幹線/在来線の乗り換えを行わなければならず、北陸と大阪、関西圏の結びつきが弱くなることを恐れてだろう。当然その「異常な」期間は短くしたい。でもこのままいけば北海道新幹線以降になりそうだ。とりあえず決議しよう。となるのは当然と言えば当然だ。
この決議と態度が一致した言動(資金関係中心に)がなされるか自治体の誠意が問われるところだ。
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