1日1しかない特急ってどんなもの? Part2:大阪以西編

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄

※(2022年9月23日以降の読者の方へ)西九州新幹線開業前ダイヤに準じての記載です※

JRは国鉄時代から特急を全国あまねく走らせている。そしてL特急というワードがあるように頻繁運転がその目玉になっているところもある。例えば北陸本線特急サンダーバード、常磐線特急ひたち・ときわ、中央線特急あずさ・かいじなどは合わせて毎時2本の運転がなされているなどというのはその最たる例である。

しかしそんな本数が多いところだけではない。今回はその逆、1日1往復しかない特急の運転系統を類聚して紹介することとする。(基準としては曖昧である部分もあるが少なくとも1.5往復のものは含めていない)
この記事は大阪以西の列車についてです、大阪以東の列車についてはPart2をご覧ください。順序はJTB時刻表の特急ページに準じました。

目次:
くろしお 
はまかぜ 
らくラクはりま 
モーニングEXP 
しまんと 
むろと 
かもめ① 
かもめ② 
かいおう 
日豊本線特急 
あそ 
サンライズ 
おまけ 

⑪くろしお(京都→白浜、新宮→京都)

元々は2往復で会ったところ2018年改正以降1往復となった。下りは京都17時47分発、白浜20時55分着(白浜着特急の最終)、新宮発2号は6時29分で、京都は11時17分着である。そもそも、くろしおはもとより紀勢本線(きのくに線)自体が苦境に立たされている中、新宮発着の特急がどれほど残るのかも今後見極めていく必要がある。

⑫はまかぜ(大阪ー鳥取)

北近畿の非電化区間と大阪を結ぶ特急であるが、5号と2号が鳥取まで乗り入れる。5号は大阪18時4分発、鳥取22時31分着、2号は鳥取6時発、大阪10時1分着である。そのほかも浜坂発着、香美発着と分かれているところである。なお5号は通勤特急も兼ねて西明石・加古川に停車する

⑬らくラクはりま(新大阪ー姫路)※土休日運休

JR神戸線の通勤特急である。新大阪18時57分発、姫路20時10分着、あるいは姫路6時21分発、新大阪7時27分着である。特徴としては新快速の停車しない大久保駅に停まるところであろう。また、夕ラッシュは先述のはまかぜ、当列車、スーパーはくと13号を1時間おきに走らせてかつ西明石、加古川にていしゃさせることで通勤ライナーとしての役割をも持たせているところである。

⑭モーニングEXP高松(伊予西条→高松)、松山(新居浜→松山)

なぜか名称がことなるが、経路はいしづちと同じである。しかも土休日運休というわけでもない。予讃線でいえば岡山・高松発宇和島行などが残っていたところであるがすべて現在は松山で系統分離されている。高松行きは伊予西条を6時43分に出て、高松に8時11分に着く。松山行きは新居浜を5時54分発、松山7時9分着。

⑮しまんと1号(高松→中村)

他方完全に系統分離されていないのが土讃線のしまんとで、この1本のみ高知を超えて中村まで直通する。(高松6時4分発、中村10時4分着)。なお、宿毛発着は1.5往復あるために今回対象とならなかったことを附記しておきたい。

⑯むろと(徳島ー牟岐)

牟岐の特急列車で、1号は徳島19時33分発、牟岐20時51分着、2号は牟岐7時発、徳島8時18分着。普通列車の増発を受けて特急列車が削減された形であるが、特急宗谷と異なり号数を残したままになっている。これはJR北海道とJR四国の違いというところであろうか。

※(2022年9月23日以降の読者の方へ)西九州新幹線開業前ダイヤに準じての記載です※

⑰かもめ101号(門司→佐賀)

門司6時52分発、博多を超えて佐賀8時56分着である。佐賀発着のかもめには100番台が与えられているが、その中でも博多を超えて門司港発着となっている。しかし実態はきらめきの補完であり、前後はきらめき1号、3号となっている。

⑱かもめ104号(佐賀→博多→吉塚)※土休日運休

他方佐賀からのかもめ104号は佐賀駅を7時37分に出て博多駅に8時25分に着くとそのまま1駅普通列車として吉塚まで行く。これも1日1本のみであり、グリーン券は車内で発売である。

⑲かいおう(博多ー直方)

かいおうの名は直方出身の大関魁皇のことである。人名がつくのはなかなか珍しいが、福北ゆたか線をいわばライナー列車的に走っている特急で、号数は割り振られている。1号は直方7時9分発、博多8時2分着(土休日8時丁度着)、2号は博多21時34分発直方22時23分着である。もとは5本の運転となっていたが、2022年改正で本数が減らされた。

⑳にちりんシーガイア(博多ー宮崎空港)

㉑ソニック(博多ー佐伯)

㉒にちりん(小倉ー宮崎空港)

恐らく特急街道の最後の地となるであろう日豊本線。にちりんシーガイア5号、18号は最長特急の名を争うものであり、5号は博多7時30分発、宮崎空港13時19分着、18号は宮崎空港16時18分発、博多22時26分着である。
延岡ー宮崎・宮崎空港間の特急にはひゅうがの名を与え、最近では昼間大分―延岡間を削ったところにもひゅうがの名を与えている(大分ー宮崎間にちりんはその分を欠番扱い)。他方宗太郎峠より北、佐伯から博多に至るものもあり、ソニック41号は博多16時57分発、佐伯20時09分着、12号は佐伯6時58分発、博多10時22分着である。
そして大分ー佐伯間を含んで走るものにはにちりんの名を与えていて、小倉駅を発着する宮崎空港行にはにちりんの名が与えられている。にちりん3号は小倉6時39分発、宮崎空港11時49分着。他方にちりん20号は宮崎空港17時17分発、小倉22時29分着である。3号は小倉から大分方面に向かう1本目だし、20号は延岡を超えて大分県、福岡県に迎える最後の列車になっている(そこからは6本連続でひゅうがになっている)

㉓あそ(熊本ー宮地)

豊肥本線全線開通に伴う特急列車の運行体系について (JR九州)
これを見ればわかる通りだが、あそは3往復中1往復を定期列車、としている。そのほかは九州横断特急やあそぼーい!が補う形になっている(九州横断特急2往復中1往復はあそぼーい!と同じスジである)。あそ3号は11時45分に熊本を出て、宮地に13時8分に着く。4号は折り返して宮地を13時32ふんにでて、熊本に14時46分に着く。

㉓サンライズ出雲・瀬戸(東京ー出雲市・高松)

寝台特急最後の生き残りにして、最長特急でもある。もはやこれ以上説明を与えるのは野暮であろう。決して執筆に疲れたわけではない。

なお、取り上げなかった列車についてはここに書いておく。というのも通常の系統を超えて運転するものを主に取り扱う趣旨であったところ、これらはそれを短縮する方のものであるからである。

・すずらん2,5号(東室蘭ー札幌):そのほかは室蘭ー札幌(なお室蘭ー東室蘭普通列車)
・しおさい2,13号(東京ー成東):そのほかは東京ー銚子(13号成東行は土休日運休)
・しおさい4号(佐倉→東京):土休日運休
・湘南2号(平塚→東京):そのほかは小田原発
・南紀2,7号(名古屋ー新宮):その他ほかは名古屋ー紀伊勝浦(なお古くは新宮ー紀伊勝浦間普通列車)
・ソニック201,202号(中津ー博多)
・ゆふ(博多ー大分):そのほかは博多ー別府
・きりしま(鹿児島中央ー国分):そのほかは宮崎ー鹿児島中央

目次:
くろしお 
はまかぜ 
らくラクはりま 
モーニングEXP 
しまんと 
むろと 
かもめ① 
かもめ② 
かいおう 
日豊本線特急 
あそ 
サンライズ 
おまけ