近鉄電車がワンマン運転を拡げる可能性を検討してみる
いやいや勝手にいうてるだけですが、次近鉄がダイヤ改正をする際にどういうことを行うかを考えてみた結果があのタイトルである
2020年7月が直近のダイヤ改正であるが、その概要をみると
・22時台以降の減便
・終電繰り上げ
・青山町ー伊勢中川間毎時1本減
・大和西大寺ー平端毎時1本減(天理線線内止めに)
・古市ー橿原神宮前の減便
・御所線毎時2本減
・田原本線毎時1本減
・塩浜ー津新町間毎時1本減
・志摩線毎時1本減
・大阪線急行を伊勢中川ー五十鈴川短縮
・特急減便
とまあ大ナタを振るった内容である。
この次やると考えられると思うのは奈良線の減便…とまで行くと流石に重すぎるが、やはりワンマン運転の検討を行いたくなる
参考資料 大手民鉄データブック ワンマン運転導入状況
上掲の大手民鉄データブックを見れば以下の線区でワンマン運転を実施している。結構多い
・生駒線/田原本線
・けいはんな線
・名古屋線 白塚~伊勢中川
・山田・鳥羽・志摩線
・鈴鹿線/湯の山線
・南大阪線 古市〜橿原神宮前
・道明寺線/御所線
※白塚~伊勢中川~志摩線のみいわゆる運賃箱のあるワンマン対応車両。(その他は都市型ワンマン)ただし、車内精算が実際に実施されているわけではない。
このように考えると色々思うところが出てくる。意外とここ入ってないというところを列挙すると
①吉野線
②信貴線
③天理線
④大阪線 名張・青山町~伊勢中川
⑤名古屋線 四日市~白塚
それぞれ見ていく。なおこの際に以下の事項を考慮したい。すなわち以下の準備がワンマン運転には必要である。
車両:デッドマン装置、自動包装装置、車内マイク付き通報装置など
駅:ホームミラー、モニターテレビなど
参考:生駒線ならびに名古屋線および山田線ワンマン運転実施について
つまりはこれだけの設備投資を各駅各車両に行ってワンマン運転を行う意味があるか?という視点を忘れてはいけない。さらには非常時対応も考慮に入れる必要がある(cf.JR山田線)
①吉野線
今までであれば「言うても毎時2本阿部野橋から急行が来てるわけしなかなか難しいんじゃないの?」としていたわけだが、先の改正で急行は区間急行になり、橿原神宮前で乗り継ぎとなった。つまりは昼間は吉野線内のみの運転となっているわけである。
じゃあ南大阪線系統(狭軌区間)ではワンマン運転の実績がある(現に南大阪線ではワンマン運転が実施されている)から、意外と可能性が高いのではないか?と睨んでいる。
②信貴線
河内山本から信貴山口まで2駅の路線。近鉄の歴史を語る上ではもちろん重要な路線ではあるが、毎時3本2両編成の電車が行き来する路線である。でも今のところツーマン運転である。これは大阪線系統にワンマン運転車両がいないからでもあるが、信貴線の本数、駅数を考えると都市型ワンマンの導入がたやすい路線であることは間違いない。
③天理線
これももとは「いや京都、西大寺まで直通する電車が昼間もあるのに…」というハードルがあったが、今や上の改正で昼間は線内シャトルばかりになった。そのため少し注目しておきたい。
ただである、それでも京都行急行の本数も一定数あるわけで、近鉄がそこまでワンマンとツーマンを混ぜることを好んでいない(ように感じられる)ことから考えると蓋然性はまだまだ低い
④大阪線 名張・青山町~伊勢中川
この区間は急行電車がほぼ各駅停車の役割を果たす一方で、この区間だけを2両ツーマンの普通電車がシャトルしている時間帯がある(以前は終日、ダイヤ改正により昼間以外)。上述の通り大阪線系統の電車にワンマン対応車が居ないため実施されていないが、利用者の少なさだけを見れば実施があり得そうである。ただ、設備投資がペイできない、ないし山越えの区間であるため安全性のためという配慮が働けば実施の可能性はなおのこと薄くなる(青山トンネルで立ち往生したらどうすんだべ、と考えてみよう)
⑤名古屋線 四日市~白塚
名古屋線の白塚より先は山田・鳥羽・志摩線車両についてワンマン運転が実施されている。それとは別に。都市型ワンマンへの切り替えをいわば南大阪線のごとく普通(含む四日市から準急)で実施しうるのではないか?と想像を膨らませたわけである。しかしそんな2種類のワンマン電車を混ぜてしまう、そのうえ急行(大概6両)も走るとなれば複雑怪奇ではないか、と言われるとぐうの音も出ない。
東武が22年3月からワンマン運転の拡大を宣言した。広大な路線網を持つという事情は近鉄とて同じである。頭を悩ませる課題ではないかと思い、多少の私見を述べた次第である。
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