京成 押上~成田空港間新型特急を運行へ
京成は、5月21日、新型有料特急に関するニュースリリースを発表した。
空港アクセスの更なる利便性向上を目指し 押上~成田空港間を運行する 新型有料特急を導入します! 2028年度に運行開始予定
運行予定区間は押上~成田空港間である。上野ではなく、押上である。
【参考】現在のスカイライナーは上野~成田空港間で、2010年の成田スカイアクセス線全通後は、現行の新AE型を用いて京成本線ではなくそちらを経由している。また、押上からは浅草線・京急線からのアクセス特急で成田空港へ向かうことができる。
そして、運行開始年度は2028年度としている。車両導入のサイクルとしてはやや短くはあるものの、そこまで非合理的なものではない。これまでも1978年(当初は1972年)、1990年、2010年導入してきたので、フラッグシップとして早め早めの導入ということで理解できる。
なぜ押上なのかということについて敢えて意味を見出すのであれば、浅草線乗り入れを除けば、2016年の運輸政策審議会答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」を意識したものであると善解することはできなくもない。すなわち、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」記載のプロジェクト1番「都心直結線の新設(押上~新東京~泉岳寺)」が進むことを見据えて、まずは運行形態からということは言えなくもない。なお、このプロジェクトはB/Cが1.1(社会的割引率は恐らく4%)、累積収支黒字転換年は16~17年ではあるので、2016年時点では着工可能(少なくとも鉄道事業法上の許可は下りる)であるが、着手の予感は全く見えない。そうだとすると京成の意図を曲解していることになるので、何を考えているのかというのは京成にしかわからない。
なお、長期経営計画(2022~2030年度)の中間見直しにあたる中期経営計画D2プラン(リンク)では押上線方面からは、青砥での乗り換えを課題としているようである。なお、現行のスカイライナーはこれから検討という言い回しであり、上野からの需要を置き換えるという意図はなさそうである。更に空港付近(成田湯川~成田空港)での単線区間について、複線化・成田空港駅の施設改良についても言及がなされている。

https://www.mlit.go.jp/koku/content/001875594.pdf より引用
(第2回 今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会)
また、2025年の国交省の検討資料に基づけば成田空港の発着回数が増加すること(年約50万回までを想定)に伴い、このままの需要予測では、スカイライナー・JRの成田エクスプレスともに2030年代半ばには「混雑率100%」すなわち、利用者が溢れるという事態が想定されている(リンク)。
更に、運輸総合研究所において、「成田空港の鉄道アクセス改善に関する調査研究」もなされており、京成・JRの複線化について具体的な検討がなされている。
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