JR東日本 運賃改定を申請 26年春から
JR東日本は上限運賃改定を申請を申請した。申請通りであれば26年3月から改定となる。
運賃改定の申請について ~2026年3月の運賃改定に向け、手続きを開始しました~
なお、運賃改定は決算資料でも予定していたところの記載があるので、そのリンクも加えておく。
今回の申請による変更は多岐に渡る。
JR東日本が持っている運賃区分は「山手線内」「電車特定区間」「幹線」「地方交通線」であるが、このうち「山手線内」「電車特定区間」「幹線」を「幹線」に統合する。なお、電特区間に設定されていたバリアフリー加算は廃止となる。また、IC運賃はきっぷ運賃を下回るように設定される。
普通運賃の改定率は7.8%程度となっている。
【参考:賃率の比較】
~100km | ~200km | ~300km | ~600km | 以降 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
山手線内 | 現行→廃止 | 13.25円 | ||||
電特 | 現行→廃止 | 15.30円 | 12.15円 | |||
3社幹線 | 現行 | 16.20円 | 12.85円 | 7.05円 | ||
JR東日本 | 申請 | 16.96円 | 13.45円 | 7.05円 | ||
参考 | ~100km | ~200km | ~300km | ~600km | 以降 | |
大阪電特 | 2025/4から | 15.50円 | 12.30円 | |||
JR北海道 | 2025/4から | 区間制 | 21.16円 | 16.36円 | 12.83円 | 7.05円 |
JR四国 | 現行 | 区間制 | 19.20円 | 16.20円 | 12.85円 | 7.05円 |
JR九州 | 2025/5から | 区間制 | 19.75円 | 19.75円 | 12.85円 | 7.05円 |
定期運賃については、通勤定期運賃は12%程度となっている。これも山手線内・電特区間が廃止となるため、同区間では大幅な引き上げである。通学定期運賃は据え置きとなるが、山手線内・電特区間に限っては値上げとなる。
収支率は現行95.5%、申請99.8%となる。前回京阪電車のところで触れたものを出しておこう。
社名 | 改定時期 | 申請時収支率 現行 | 申請時収支率 申請 |
---|---|---|---|
京阪 | 2025年10月 | 89.1% | 99.5% |
名鉄 | 2024年3月 | 91.2% | 98.6% |
京王 | 2023年10月 | 88.8% | 98.5% |
京急 | 2023年10月 | 90.7% | 99.4% |
南海 | 2023年10月 | 86.6% | 93.8% |
近鉄 | 2023年4月 | 82.8% | 92.9% |
東急 | 2023年3月 | 90.4% | 99.6% |
実はかなりギリギリの改定率を攻めているということになる。そのうち、原価には、「既存の設備投資(耐震補強等)の未償却残高のうち、前倒して減価償却費に加算した138億円が含まれて」いるとのことである。つまり、新算定要領(運用方針)をフルに活用した改定ということである。
細かいところの話をしておくと、国鉄時代の競合区間について設定していた特定区間30区間のうち、18区間については廃止となる。廃止区間は「上野~成田」「新橋~久里浜」「横浜~田浦」「渋谷~桜木町」などである。
JR他社線との対応としては、3島会社が採用している「通算加算方式」を行うことになる。すなわち、全乗車キロについては、JR西・海の運賃を適用(基準額)し、JR東日本区間については今回の値上げ相当額(加算額)を適用するという方式である。
東海道新幹線と東海道線(熱海ー東京間)は同一経路扱いとなっているが、これも別線化される。新幹線定期券を購入の場合については今まで通りとなる。
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