新庄ー院内間電化廃止へ 復旧計画発表&予想

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JR東日本東北本部は先の大雨で運休している奥羽本線新庄ー院内間の復旧計画について発表した。

奥羽本線 新庄~院内駅間 復旧状況と運転の見通しについて

現在同区間中26か所で復旧工事を行っているとしている。そして、復旧については

・2025年GW前に運転再開予定
・今後の災害復旧のことを考えて、電気式気動車(または一般気動車)で運転
・電化設備は順次廃止

とのことである。奥羽線は1975年10月13日に全線電化したというが、ついに非電化となるわけである。旅客列車を運転することで言えば今や電気式気動車で遜色ないわけで、となると妥当な判断だろうと思われる。

せっかくなので今後の運行体系を予想しよう。まずは、(秋田ー)大曲ー横手ー湯沢ー院内ー真室川ー新庄間の運転本数(災害前)を整理しておこう(本数を数え間違えていたらご指摘願いたい)。

【上り】
大曲 ー横手 間:上り18本 全て秋田発
横手 ー湯沢 間:上り17本 3本の横手止めと2本の横手発がある
湯沢 -院内 間:上り11本 湯沢止めが6本
院内 -真室川間:上り09本 院内止めが2本
真室川ー新庄 間:上り11本 真室川始発が2本

【下り】
新庄 ー真室川間:下り11本
真室川ー院内 間:下り09本 真室川止めが2本
院内 ー湯沢 間:下り11本 院内始発が2本
湯沢 -横手 間:下り17本 湯沢始発が6本(うち1本は快速)
横手 -大曲 間:下り20本 4本の横手発と1本の横手止め

という感じである。真室川ー院内間の電車は新庄・秋田まで向かう(横手発新庄行きを除く)。

では輸送密度はどうか。2019年度・2023年度のデータを併記すると(参照:JR東日本

新庄~湯沢:416・291
湯沢~大曲:1704・1578

と、新庄~湯沢間の落ち込みが非常に激しい。県境や都市圏の境附近で1時間に1本くらい走らせている路線の感覚でいうと関西線が942、和歌山線(高田ー五条)が2153、呉線(三原~広)16531あたりが挙げられるので、湯沢~大曲間の本数と輸送密度はだいたい感覚に合いそうである。

これを踏まえて輸送形態を考える。そもそも新庄ー院内間のうち、院内駅を除けばすべて山形県内である。となれば、新庄ー院内間と院内ー秋田間で系統分離されるという読みはそこまで不思議ではないと思われる。あとは本数が維持されるかどうかであるが、あまり期待しないでおこう。なお、ニュースリリースの記載では、「一部区間では電気式気動車に加え、従来の気動車(キハ110系)による列車の運行も検討しています。」ということも書かれているため、ひとまず電化廃止が決まったからそれだけを速報しているという向きもありそうだ。

  1. やや持ち出す例としては不適当か? ↩︎