地鉄検討会の資料がようやく公開

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昨年11月から組織されている「富山地方鉄道線のあり方検討会」について、今まで資料が公開されておらず報道で断片的に理解するしかなかったところであるが、今般、富山県HP等に資料が公開されていたのでリンクを纏めておく。なお、富山県HPのページは全て最終更新が10月1日になっており、魚拓がWaybackMachine及び国会図書館WARPにも記載ながかったので、県HPでは、約10か月間資料が公表されていなかったこととなる。

「site:(各自治体のドメイン) 地鉄検討会」などでそれぞれ検索を掛けたリンクを付しておく。

【富山県HP】富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会
【富山市HP】見当たらず
【魚津市HP】富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会 本線分科会
【滑川市HP】富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会 本線分科会
【黒部市HP】富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会 本線分科会
【船橋村HP】見当たらず
【上市町HP】富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会 本線分科会
【立山町HP】富山地方鉄道鉄道線

※本線分科会資料について、魚津市・滑川市・黒部市・上市町は8月18日に掲載されていた
※上市町HPは10月3日掲載のよう。

ひとまず、全体会、分科会3つについてそれぞれ資料が見当たったということで、多少検討を加えておきたい。各区間についての地鉄の考え方は以下の画像の通り纏められる。

参考:
鉄道線の維持、存続に関する自治体との協議における考え方 (名義人不記載も、主語は富山地方鉄道、6月5日)
富山地方鉄道鉄道線「経営の範囲」に伴う「運営区間」の考え方について (富山地方鉄道、9月1日)

ひとまず、現在の分科会の状態を確認する。それぞれの構成員は
不二越・上滝線は、富山市、立山町、富山県、地鉄、運輸局鉄道部
立山線は、富山市、立山町、富山県、地鉄
本線は、魚津市、滑川市、黒部市、上市町、富山県、地鉄
の長ということになっている。

不二越・上滝線(幹事は富山市)は令和8年度からのみなし上下分離で決着済。

立山線(幹事は恐らく立山町)は岩峅寺~立山間について、立山町が令和8年度に鉄道事業再構築調査事業を行い、令和9年度に再構築事業というペースで検討しているが、地鉄の求めるスピード感とはズレている。この点、アルペンルートに関係する立山黒部貫光株式会社が存続を求めている。同社は地鉄の株式を11%保有、地鉄は同社の株式を1/4弱保有となっている。株式の1/4”弱”の保有というのは、もし、地鉄が立山黒部貫光の株式を1/4を保有してしまうということになると、立山黒部貫光が地鉄に対して議決権行使できなくなる、ということ(会社法308条1稿)であるから、戦略的であると思われる。

本線(幹事・司会は黒部市)は上市~滑川~宇奈月温泉間について場合分けして運行形態を検討することとなっている。地鉄が見解を示した9月1日以降に分科会がなされていないから、踏み込んだ議論が見当たらない。

ついでに営業係数も試算しておこう。

  営業キロ 営業係数 収入 支出
富山~上市 13.3 71.1 460047 327173
上市~滑川 8.5 325.6 53884 175467
滑川~新魚津 8.5 841.1 20171 169654
新魚津~宇奈月 23.0 249.4 199810 498405
寺田~五百石 3.7 84.2 291763 245591
五百石~岩峅寺 6.5 463.5 32597 151095
岩峅寺~立山 14.0 201.0 132806 267006
稲荷町~月岡 9.9 80.8 311711 251995
月岡~岩峅寺 5.8 294.1 44697 131461

参考:みなし上下分離モデルによる試算(令和7年度予算)
※富山~寺田間の立山線電車については立山線に算入、富山~稲荷町の不二越線電車は不二越・上滝線に算入。

事業者からしたらたまったものではないレベルの区間は多数ある。ギリギリ赤字などというというレベルではない区間が多数見受けられる。