真庭市 JR西の株式取得へ?

2024年8月25日JR各社/三セク国鉄

真庭市の11月28日の視市長記者会見で、市がJR西日本の株式を取得する方針であることがわかった。
市長記者会見の開催について
赤字路線の存廃めぐり「もの言う株主」に 岡山・真庭がJR株取得へ
『JR 姫新線へのICOCA等交通系ICカードシステム導入に関する要望』をJR西日本岡山支社に手交 リンク切れのため新聞記事リンク

岡山県真庭市は姫新線のうち、特に需要の厳しい区間である、美作追分~中国勝山~富原間が通っている。輸送密度 2,000 人/日未満の線区別経営状況に関する情報開示によれば2020~2022年の3年間平均の輸送密度・営業係数は下記の通りである(括弧内に2017~19年を付記)。
津山~中国勝山:640人・907円(820人・610円)
中国勝山~新見:132人・3745円(306人・1349円)

利用者の落ち込みに歯止めをかけるための積極的施策を打つために億円規模での株式取得を考えているという。また、ICOCAの利用可能への要望を提出するとしており、それに先立った記者会見であるといえよう。ただし、JR西日本の時価総額は1.41兆円であり、株主提案権などを取得するためには140億円規模での支出が必要になる。真庭市の令和5年度当初予算は545億円(資料)。はてさて…

【2024年8月25日追記・訂正】

大きな誤りがあったので、訂正します。議題提案権(会社法303条2項)・議案要領通知請求権(会社法305条1項)は株式の1/100か、300個(つまり3万株)持ってれば有することができます。つまり、JR西日本の株価でいえば9000万円弱となります。この点真庭市が取得した株式数は34000株であり、相当合理的であると言えます。会社法そのものの理解が誤っていたので、訂正いたします。

なお、真庭市は「地方鉄道をネットワークとして守るために株主として資本参加し、その立場から責任を負う」としており、年間配当は約245万円、株主優待券はJR西日本の算式にならえば78枚受け取ることになる。

参考:「西日本旅客鉄道株式会社の株式」を取得しました(真庭市プレスリリース)

ところで、同じ姫新線では、姫路~上月間約50kmで輸送改善事業を実施している。
この時の負担は80億円で、JRが10億円を負担するほか、35億を県・市町村が2:1で負担するほか、35億円を無利子でJRに貸し付けている(参考:事後評価調書 【鉄道事業】 JR姫新線輸送改善事業)。

株主になるとJR西全体への目線で発言する必要しなければならないが、直接の設備投資をするというのも一つの手ではある。

【別件】大分市はJR九州の株の寄付を受けたという(西日本新聞)。

【2024/8/24追記】

亀岡市も株式を取得するという(朝日新聞)。亀岡市は嵯峨野線(亀岡ー園部間)の減便があったことをとらえているようだ。