夢洲アクセス鉄道に関する調査結果が公表

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中央線夢洲開業からはや半年以上経過したところであるが、今後国際観光拠点となる夢洲のアクセスについて、大阪府・市・鉄道事業者で検討が進められていた。今般その検討結果について公表資料が出たので吟味しておこう。

夢洲アクセス鉄道に関する検討について

検討対象とされたのは以下の4路線である
・OTS北港テクノポート線(夢洲~舞洲~新桜島):既に許可を得ている区間
・京阪中之島線(中之島~西九条~新桜島):平成16年答申がある
  (近畿運輸局HPに図がある
・JR桜島線(桜島~舞洲~夢洲):平成29年に大阪市が構想に位置付けている(リンク
・京阪中之島線(中之島~九条)

検討の諸条件としては、2037年開業を前提とするため、リニア中央新幹線、なにわ筋線、中央線(森之宮新駅)、大阪モノレールが既に開業しているものとしての検討である(リニア中央新幹線については、平成29年調査と同様にするためとのころであるが、想定として適切か…?)。
北ルートたる路線が開業するまでは、JR桜島駅からシャトルバスが代替しているものとして検討している。

その他、加算運賃が設定されることや、夢洲・舞洲の開発計画についても一定の前提を置いている。

検討ケースとしては
北港テクノポート線と中之島線新桜島延伸、JR桜島線と中之島線九条延伸、JR桜島線延伸、中之島線九条の4パターンとしている。需要推計の結果としては、桜島線・九条延伸が一番輸送人員が多いということになっている。費用便益比についても、後ろ3者はほぼ横並びで1.1~1.2の間で横並びになっている。なお、北港テクノポート線と中之島線新桜島延伸については、中央線夢洲開業が前提になっているので、コスモスクエア~夢洲間の利用者の増加を便益に含められていないために、1を下回ったとしている。
一方、事業者の収支である累積資金収支については、答申路線よりも、JR桜島線延伸・中之島線九条延伸のほうが有意な結果となっている。
金銭に換算できていない効果についても、整理されているが、基本的に検討路線のほうが優位となる結果が記載されている。その中では、特に中央線の混雑緩和(そもそも夢洲の来訪者数が増えることで一層混雑するという前提になっている)、代替交通の確保による効果について強調されている。臨海部の物流機能に対する影響については、「夢洲の開発によっては富裕層がラグジュアリーホテル等へ自家用車・ハイヤーなどの交通手段を選択されることが想定され、試算結果よりも交通混雑・環境負荷が大きくなる可能性がある。」との指摘も入っている。
結論としては、JR桜島線延伸・中之島線九条延伸を優位としているということでよいだろう。

既に許可を得ている夢洲~新桜島間については、OTSがJRに許可を譲渡するという形で簡便に済ますのではないか?という予想ができる。一方で盲腸線となっている中之島線についてはようやく活路が見いだされることになるわけである。一方京阪も、IRの解除権が放棄されたことをもって、延伸自体に意欲をだしていた(記事)ので、こちらも敢えて反対することはないだろうと思われる。