京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併へ!2025年4月

2024年4月26日未分類

千葉日報の速報より。
【速報・追記あり】京成電鉄、新京成電鉄を吸収合併へ 2025年4月 現在の路線・駅は維持する方針

また、京成電鉄のリリースより。
完全子会社(新京成電鉄株式会社)の吸収合併(簡易合併・略式合併) に関するお知らせ

新京成電鉄株式会社は、2022年9月1日に京成電鉄株式会社の完全子会社となっている。それ以前は東証一部(移行後はスタンダード市場)に上場していた(資料:京成電鉄株式会社による新京成電鉄株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ )。
株式交換の際のメリット(シナジー効果)として挙げられていたものは

(ⅰ)千葉県北西部における事業基盤の強化及び地域活性化
(ⅱ)経営資源の相互活用による競争力強化及び事業規模の拡大
(ⅲ)スケールメリットを活かした効率的な協働体制の実現

である。今回の吸収合併もその文脈に位置付けられる(リリース中では「より早期かつ確実に発揮するため」とのことである。)。
なお、新京成電鉄グループにあたる、船橋新京成バス、松戸新京成バス、新京成リテーリングネットは京成電鉄の完全子会社となる。

新京成電鉄の沿革を見れば明らかなように、創立総会を京成電鉄株式会社で行っていることやその名称からも明らかなようにその緊密性は周知の通りであると言えよう。また、京成グループといえばこのほか北総鉄道、関東鉄道、小湊鐵道が挙げられる(参考)。

大手私鉄16社に関連する合併や経営譲渡、子会社化等の企業再編や経営再編が生じた事例を今調べられる限りで記載する(戦時合併と単一グループでのHD化は除外)と、
・1961年の能勢電(阪急の子会社化)
・1998年の千葉急行鉄道(→京成が千葉急行線を譲受)
・2004年の東京地下鉄株式会社法の施行(営団からの経営移管)
2006年の阪急・阪神の経営統合(阪急HDに阪神が吸収される形式)
・2000年代以降の伊賀鉄道・養老鉄道・和歌山電鉄・四日市あすなろう鉄道等の発足(いずれも経営分離によるもの)
あたりが思いつきはする(網羅的ではないのはご容赦願いたい)が、いずれもここまでの「大物」が出てくるのは久方ぶりではなかろうか。何というか戦前の大軌や名鉄の合併のしぐさを彷彿とさせる。

このほか記録的な意味で言えば
・鉄軌道事業者の吸収合併、消滅は令和2年2月22日の富山ライトレール(吸収合併存続会社は富山地鉄)以来。
・関東から準大手私鉄の消滅(残るは、泉北・北急・山陽・神戸高速。相鉄は大手私鉄に移行済。なお神戸電鉄はかつて準大手として扱われていた。鉄道プレスさんの記事より)

今後の流れとしては、鉄道事業周りの手続きを進める(そうでなければ1年半後の日取りとはならないだろう、鉄道事業法26条2項参照)ことや、趣味的な範囲で気になることと言えば運賃制度や、運行形態の変化である。現状松戸ー京成津田沼ー千葉中央間、松戸ー京成津田沼間、京成津田沼ー千葉中央ーちはら台間が20分ヘッドづつ、結局松戸ー千葉中央間が10分ヘッドになっている。あるいは車両の統一やなんやらとなっていくことも予見される。もちろん今の形態をそのままにしておくことも考えられるが・・・(なお、乗り物ニュースの取材によれば運賃の別建てを維持する方針で調整中とのことである。)

参考: