「指定席付快速列車」の可能性を考える

2024年4月26日未分類

これは、結構空想・妄想的な記事である。念のため申し上げるが、そのような施策も考えられなくもないよね?くらいの程度で受け取っていただきたい。

2020年春ダイヤ改正で、磐越西線快速のうち3往復にあいづ号と命名し、半室14席の指定席が設定された。こういう指定席の付き方を少し考えてみたい。
JRの現行の指定席付きの普通・快速列車は、ホームライナーはおいておいて

・エアポート(小樽ー札幌ー新千歳空港):840円
 小樽ー札幌33分、札幌ー新千歳空港40分
・はまゆり(盛岡ー釜石):530/330円
 盛岡ー釜石150分
・あいづ(郡山ー会津若松):530/330円
 郡山ー会津若松60-70分
・みえ(名古屋ー伊勢市・鳥羽):530/330円
 名古屋ー伊勢市90分、名古屋ー鳥羽100分
・新快速(姫路ー大阪ー野洲):840円
 大阪ー姫路60分、大阪ー草津60分
・マリンライナー(岡山ー高松):530/330円
 岡山ー高松55分

である(横の数字は指定席料金)。そのうえでこれらの運転がある線区を分析すると
・需要のありそうな区間が1時間から1時間半程度の所要時間
・毎時1本程度の運転が行われている(少なくとも輸送密度が2000人程度はある)
・指定席のためにハイグレードな座席(リクライニング等)が整備されている
・都市接続の機能が主である。新幹線接続の考慮がある
・並行する特急列車がない
などといったことが言えそうである(それぞれ例外もあるが)。

そこで「この線区であれば導入するのもありかもしれない」というところを見ていきたい。上記の条件を満たすような線区がそこまで多くないので、例は少ない。ご容赦願いたい。

1.仙山線 仙台ー山形
2023年ダイヤ改正で快速列車が上下計7本に削減された。快速列車の所要時間も現状80分程度である。現在毎時1本程度通し運転があることからするとここに指定席を入れてみると面白いのかなあ、と思う(ちょうど磐越西線の指定席もE721系車両だし、やりやすいのでは?)。
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▲仙山線快速列車(山形駅)

2.津山線 岡山ー津山
快速「ことぶき」号があり、全線で70分ほどで走破する。もともと急行「つやま」号などといった迷列車もあった路線でもあるが、指定席付きの快速であればまだやりやすいのではなかろうか。
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▲快速ことぶき号@津山駅

3.芸備線 広島ー三次・備後庄原
次のダイヤ改正で快速みよしライナーが増える。三次までは90分ほどである。先ほどの津山線と共通して言えるのはキハ40系気動車が主体となる運転区間となっていることである。置き換えの際に一世一代の大勝負(?)というと大げさだが、利用促進の一環として指定席があると呼び込みやすいのでは?と思う。
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▲快速みよしライナー@三次駅

線区としては特急や急行といった優等列車を走らせると料金が過大に感じるが、500円程度の課金をして座りたい人が居てもおかしくないだろうというような線区が集まったと思う(現に急行が格下げされ快速になった線区もある)。
※急行の場合、50kmまで560円、100kmまで760円。指定席料金は別途
それなりのグレードの座席を用意できれば有効な収益策になると思われるのだが、果たしてどうだろうか。ただそのような線区が少ないこと(特に特急との並走がないなどの条件が厳しい)は認めざるを得ない。

<参考>実際上の例に挙げるか迷った例
・七尾線 金沢~和倉温泉~穴水
・山陰線 鳥取~米子、あるいは米子~出雲市
・日光線 宇都宮~日光(距離が短いことも要因)
・石北線 旭川~北見(特快きたみ)
・奈良線 京都~奈良(所要時間が短いことなども考慮要素)

また、ライナー的な使われ方に関してももう少し考えられるともいえる。廃止されてしまったが、快速「信越」号などである。廃止された要因としては同列車がその列車が同区間の初電だったことなども関係しているだろう。これらの要素を乗り越えたもので言えば、あいの風とやま鉄道のあいの風ライナーが該当するといえる。

参考:
快速あいづ号のビラ(JR東日本仙台支社)