JR四国 運賃値上げ 短距離特急券も値上げ 【23年春から】

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄,運賃関係

JR四国は26日、運賃・料金の改定申請を発表した。運賃改定は消費税増税除き27年ぶり。

【社長会見】運賃改定の申請について(JR四国PDF)

改定は2023年春。

運賃値上げ結果は以下の通りである。すなわちこれで2023~25年平均で収支率が96.2%になる。結局赤字ではある(心配…)。そして1年あたり20億円の増収という算段である。
運賃の改定基準は他の交通機関、つまりことでんや、バスの料金に合わせてのものであるという。子の改定で利用者が流れないかがきになるところではあるが、鉄道運輸収入はコロナを抜きにしても平成初期に比べて3~4割落ちている。そうすると運輸収入がこれ以上増える見通しがなかったわけであるから結局運賃値上げが必要であったと言えるだろう。

運賃・料金・企画乗車券の後に各施策を見ていくが、前もって私見を述べるとすれば、特に特急料金の値上げは運賃に比べてとはいえ、特急が相対的に非常に速い(普通列車がかなり遅い)ことを考えると果たして正攻法だったのかは少し考えたくなる(もちろん他のJR線に比べて特定特急料金が安すぎるというのは尤もではある)。また、他の交通機関に比べて同程度、らしいが、やや安いレベルで留めておく方が効果的な値上げだったのではと思われる。
鉄道オタクとしては、18きっぱーは要注意といったところだろう。2023年春とあるので4月1日というより、次のダイヤ改正をめどということだろう。定期券を買う場合にせよ今後の情報に注意が必要そうである。

それではまずは運賃を見ていこう。
・100kmまでは対キロ区間運賃制として初乗りは20円の値上げ
・101~200kmは1kmあたり3円の賃率値上げ
 ※「運賃額」=「賃率」×「乗車距離」
・201km以上は賃率を据え置き(=201km以上については一定額の値上げ)

因みに100kmまでの対キロ区間制はJR九州・北海道が既に採用している。現在の運賃の状況については国土交通省の「運賃の状況(JR)」を参照。
スクリーンショット 2022-08-26 181042

上記のJR四国の資料から読み取れる改定運賃は以下のとおりである。なお、読み取れる範囲のものであったために、実際の改定申請運賃は異なる場合があるのでご了承いただきたい。

km現行運賃改定運賃差額km現行運賃改定運賃差額
1~31701902051~6011101240130
4~62102403061~7013001430130
7~102202806071~8014701640170
11~152603307081~9016601830170
16~203604307091~10018302010180
21~2546053070101~12021302310180
26~3056063070121~1402460?? 
31~3567074070141~16027903190400
36~4077085080161~1803230?? 
41~45870980110181~20035603960400
46~509701080110201km↑   

定期運賃に関しても値引率を引き下げることにより、普通運賃よりも値上げ率が高い。(定期外 12.51% 定期 25.55%(通勤 28.14% 通学 22.43%)

次に料金について
基本的にはA特急料金が適用されている。他方で25kmまでの自由席・指定席、50kmまでの自由席に関しては割安な料金が設定されている。
改定料金では25kmまでの自由席は120円値上げ、その他はA特急料金に統合されている。
以下表のとおり(太字は特定特急料金)

 km~25~50~100以降
自由席現行3305301200据置
改定450760据置
指定席
通常期
現行107012901730
改定12901290据置

18きっぱーにとってはかなり痛い。ワンコイン(前後)でワープできる範囲が極端に減ることになる。
むしろA特急料金以上の値上げがなかったことから安心ではあるだろう。

その他企画乗車券を見ていこう。
オンラインきっぷに関しては「スマホできっぷが買える!列車に乗れる!新サービスの開始、 「スマえきSきっぷ」等の発売及び一部トクトクきっぷの見直しについて 」で発表されている。
スマホアプリで運賃、自由席特急券に相当するSきっぷ・トク割きっぷを片道で購入できるようになる。そして紙券の1回分当たりよりも廉価での発売となる。
JR西日本のe5489での発売されるきっぷでもeきっぷやeチケットレス特急券について割引での発売が予定されている。
また、バースデイきっぷも引き続き発売のようである(寧ろほかの周遊型の企画乗車券について触れられていないのが怖い)

さらに増収の設備投資の計画について。値上げ前の2022年
①多度津工場の近代化
 これは2021年度から進んでいるが、最も大きく120億円を計上。
②スマートフォンアプリによる新チケットシステムの開発・導入
これに関しては上の「スマえきSきっぷ」の話のことであろう。7億円を計上。
③新型ローカル気動車の開発・導入
意見招請に関する公示 が2021年11がつに出ている。導入予定は試作について2025年度、量産車について2027~2030年度。両数は50~80両を予定している。
2025年度までの話だけだからか、上記改定申請のところでは「開発」部分の9億円だけが示されている(ようである)。量産車については別段ということだろう。キハ40系の淘汰を予定している。
④8000系電車のリニューアル
22億円を計上。コンセントの確保などである。松山~岡山・高松間の特急に使用されているだけに確かにリニューアルの必要性は高い。コンセント増設・座席の更新などが主である。

他方経営の合理化については
「駅の無人化、契約社員化、
営業時間の短縮、ワンマン運転の拡大、設備・車両の検査・修繕の外注化
」が上がっている。ワンマン運転の拡大については2両ワンマンが目玉になりそうである。JR四国といえばワンマン列車について2両連結している場合でも2両目以降は締め切りとして1両目に全員を詰めるということで有名。これを2両連結の場合でも(一部で既に実施と噂の都市型ワンマンではなく)他社と同様のワンマン運転が実施されるかが気になるところ。
Cf.
都市型ワンマン・・・無人駅/無人時間帯駅でも全ドア開放、運賃収受せず
通常型ワンマン・・・無人駅/無人時間帯駅では2両目以降はドア締め切り、1両目の後ろ乗り前降り

利用者の利便性の増大については8000系電車リニューアルと、気動車の導入、アプリきっぷの導入の他、列車案内のデジタルサイネージの導入や「一部の駅において駅舎側ホームへの列車発着本数を増加」が挙げられている。
通常の単線の交換駅の場合、下り/上りは駅舎側、上り/下りは反対側の発車ということが多い。これを限りなく駅舎側にして跨線橋の移動を減らそうという狙いである。(一線スルーの駅の場合、基本として通過待ち列車以外は駅舎側発車となる)
デジタルサイネージは、各社の発車標や列車走行位置のイメージでいいだろう。

また、パワーポイントにはわかりやすく書いてあるので明示すると、駅(舎)のスリム化も予定されている。つまり旧駅舎に比して、維持費のかからないように待合室多めとするようである。