徹底解説 10カードの違い
2001年にSuicaがサービス開始して以来、はや22年。ICカードは鉄道の利用に欠かせないものとなってきた。今も利用可能なエリアを拡大させているところである。
ところで、他社のICカードでも利用が出来るという仕組みを相互利用という。2013年、主要な10のICカードが相互利用できるようになった。
ではそれらが全く同じように使えるか、と云われるとそうではない。今回はそのお話。
①電子マネーの利用
PiTaPaだけ、電子マネーとしての利用がかなり限られる。これは、他のカードが純粋なプリペイドカードとして発行できるのに対し、PiTaPaはポストペイによる発行のみを行っているからである。
例えば、セブン銀行ATMでPiTaPaはチャージできない(参考)。
②相互利用できない会社
基本的に10カードのエリア内は互いに他のカードで利用できるというのが相互利用の本質ではあるのだが、PASMOを導入している会社のうち、千葉モノレールではPASMO・Suica以外の利用ができない。
③首都圏グリーン車の利用
首都圏のグリーン車は事前に券売機でグリーン券を購入するほか、ホーム上の券売機でICカードに情報を載せ、車内のカードリーダーにタッチすることで利用することもできる。これが出来るのはSuica・PASMO・TOICA・Kitacaの4カードのみである。
↑ICOCAは使えない…(実際試せばエラーが出る)
④発売額
基本的にICカードの発売額は1500円と保証料(デポジット)500円の2000円であるが、このほかの額面で発売していることもある。
Suica・はやかけん:1000円・2000円・3000円・4000円・5000円・10000円
ICOCA・manaca(名古屋市交通局):1000円・2000円・3000円・5000円・10000円
PASMO:例えば東京都交通局は1000~20000円で発売(HP)
⑤記名式
記名式ICカードがある:Kitaca・Suica・SUGOCA・PASMO・manaca・はやかけん・nimoca
記名式ICカードがない:TOICA・ICOCA
もちろん定期券を搭載する場合には当然に記名式になる。
⑥企画乗車券
Suica・PASMOは首都圏の一部の1日乗車券の搭載ができる。券面に印字されるので、有効なIC定期券となっている場合には不可能である。
また、ICOCA・PiTaPaの場合で、京都市、JR西などは、ポイント還元型の企画乗車券を発売している。
⑦モバイルICカード
Suica・PASMO・ICOCAはそれぞれモバイルカードが存在する。特にSuicaはその嚆矢であった。
⑧分割定期
ICOCAは明示的に可能であることを示している(HP)。
Suicaはよくわからん
⑨ポイントシステム
ポイントサービスあり:
・Suica(JREポイント)
・ICOCA(WESTERポイント、近鉄ICOCAポイント、京阪電車ポイント還元サービス、地下鉄・バスICポイントサービス『もえポっ』、阪急電車ポイント還元サービス、阪神電車ポイント還元サービス、神戸市バス・山陽バス共通乗車ポイントサービス・神戸電鉄ポイント還元サービス、山陽電車ポイント還元サービス。外部ポイントとの連携としてOsakaPoint、minapita。)
・SUGOCA(JRキューポ)
・PASMO(メトポ、京急プレミアポイント、SEIBU Smile POINT、ToKoPo、小田急おでかけポイント、TOKYU POINT、相鉄ポイントマイル、京王トレインポイント)
manaca(manacaマイレージポイント)
PiTaPa(minapitaなど各社が設定しているものもある。)
はやかけん(名称なし?)
nimoca(nimocaポイント)
ポイントサービスなし:
Kitaca・TOICA
参考
そもそも10カードはどこのカードかといえば
Kitaca・・・JR北海道
Suica・・・JR東日本、東京モノレール、りんかい線
TOICA・・・JR東海、愛知環状鉄道
ICOCA・・・JR西日本、近畿日本鉄道
SUGOCA・・・JR九州
PASMO・・・首都圏の鉄道28社局
manaca・・・名古屋鉄道、名古屋市交通局
PiTaPa・・・西日本の鉄道19社局
はやかけん・・・福岡市交通局
nimoca・・・西日本鉄道(の子会社の株式会社ニモカ)
である(厳密な記載ではないが自社発行する鉄道事業者のみ掲載)。
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