首都圏最長大回り乗車録 Part1(北小金→鶴見)

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2024年12月31日早朝、馬橋駅です。2024年の乗り収めということで、2駅となりの北小金駅との間を移動しようと思います。やってきた電車に乗ってまずは北小金駅へ。新松戸、北小金と2駅4分ですね。じゃあ今度は馬橋に戻りましょう。来た電車に乗ってきたらそれでよさそうです。いやぁ鉄道オタクというのに淡泊な乗り収めになってしまいました。

あぁ…これはやってしまいました。

という茶番はここいらにしておこう。きっぷというのは乗車する経路通りに応じたものを、経路に応じた額面で購入すると相場が決まっている。しかしJRの都市部でこれを額面通りやろうものならとても乗ってられるものではなくなる。西大井から立川に行くとして、時間帯によっては新宿に出て中央線に乗り換えるほうが早いこととなるし、あるいは武蔵小杉から南武線に乗る方が早いときもある。これらの営業キロを比較すると41.4キロと34.4キロとなるわけで、このまま運賃を計算すると740円と580円となる。こんな面倒な売り分けを防ぐのが大都市近郊区間制度であり、その区間内であれば乗車経路に関わらず最安値の運賃で移動することができるというものである。

じゃあ、これを最大限利用してやろうというのが「大回り」である。東京近郊区間で初乗り運賃150円で最も長い距離を乗車できる経路が北小金ー馬橋間1である。しかしその乗車経路の長さゆえに1日で終えることができず、普段実施しようものなら終電で放りだされてしまいである。しかし、1年に1度だけ、終電で駅が閉まらないタイミングがある。それは大晦日の終夜臨時運転のときであり、これを利用して継続乗車することが可能である(有効期間を過ぎていても途中下車しない限り目的地まで使うことができる。例えば24時を跨ぐ普段の終電電車を想像してほしい)。10年ぶりにコミケの無い大晦日となった2024年12月31日、22歳大学生となれば体力と時間のあるのも今がラストチャンスと感じ、今回実施に至ったわけである。

さて、コミックマーケット105に2日間参加した後の12月30日まずは馬橋駅に着く。馬橋駅からロードサイドに出たところの快活CLUB松戸馬橋店に泊まる。洗濯物を用意して眠りに着く。

朝起きてローソンストア100でご飯を調達しておく。そもそも年末年始である、いつご飯が調達できるかがわからないというのがなかなか難しいのである。特に元日は房総半島を一周するルートであるから、早め早めに買っておくことが必要である。

さて馬橋駅に着く。本当は往復乗車券を買って有効期間を2日にし、継続乗車特例すら無視しようと思っていたのだが、この駅(そして北小金駅)指定席券売機は6時半からしか動いていないうえに、近距離券売機では往復乗車券を購入できなかった。ということでやむなく片道乗車券で移動する。

…というところで上の話に戻ろう。

たぶんここに出ている目次はナンバリングが重複しているが気にせず書き進めておく。

  1. なお、分岐駅が快速・優等列車通過となる場合の折り返し乗車特例、(恐らく有効ではあるものの、駅員によっては不正乗車と判断されることもある)6の字乗車特例を利用する場合には、本千葉から蘇我となり、30kmほど伸びるようである。今回の場合は、純粋に大都市近郊区間特例のみを利用した場合の大回り乗車ということになる。 ↩︎

1.常磐線各駅停車 529S

北小金5:58→我孫子6:10
乗車列車:東京メトロ16424(16124F4号車)

世間は浮かれていて箱根駅伝の広告もあるのだが、そんなことも関係なく我々は好き好んで電車に乗っていくわけである。流石に東京の電車とはいえ大晦日の日の出前にそんな大量の人間は乗っていなかった。我孫子駅では折り返しのホームに着く。国電の緩行電車は平日の朝晩だけ取手に行くので、この年末年始はずっと我孫子止めとなっている。

2.常磐線中電 323M 高萩行

我孫子6:26→友部7:29 10両編成
乗車列車:クモハE531-42

我孫子駅といえば弥生軒であるが、7時まで開いていない。乗り換えの時間としては6時23分発の取手行があるが大回りには関係ない。既に停車している高萩行に乗りこむ。この1本だけ我孫子始発の下り電車である(2025年春のダイヤ改正で水戸行と入れ替えになるらしい)。発車直前まで押しボタン式となっている。一旦車内照明を消灯して、点検してから数十秒ドアを開けてから発車する。
北に上っていくにつれて徐々に日が出てくる。さて首都圏では珍しいボックスシートに身をゆだねて乗るのはいいが、ここで絶対に寝るわけにはいかないのである。いくら当日早起きであったて、コミケで疲れているからといってここで寝過ごすと大回り乗車は不達成となる(引き返してリスタートするにしても8時手前になって武蔵野線の最終というデッドラインギリギリになる)。

30分ほど経った土浦からはドアが押しボタン式になるし、一気に土地も開けてくる。高浜駅の駅舎や羽鳥駅辺りの建売住宅の雰囲気なんかを見てみると、わかりやすく郊外の駅の雰囲気を出している。そして友部駅に着く。「らしき」人も20人ほど降りて来る。

3.水戸線 736M ワンマン小山行

友部7:53→小山9:07
乗車列車:モハE530-4002

実は友部駅で20分ほど待たされる。その間にやることは本当にない。1番乗り場にやってくる品川行電車と特急ひたち、そして4・5番乗り場にやってくる勝田行ワンマンカーを待っておいて、3番乗り場に水戸からやって来る小山行電車に乗り込む。緑囲みで「ワンマン」という表示は今後も見ていくことになる。

先ほど言った通り、寝るタイミングというのは貴重である。先ほど常磐線で寝ないようにといったものの、実は旅行開始1,2時間あたりは意外と寝ることは興奮故に中々なく、むしろこれくらいの時間からのほうが寝やすいのである。というわけで、爆睡である。確か岩瀬駅辺りで線路確認か何かで一時的に運転を見合わせていたように記憶している。気づいたら小山駅についていた。小山駅は水戸線用の15・16番ホームに到着する。ここからの乗り換えは東北線を跨いで、新幹線の高架下にある両毛線ホームまでへの乗り換えとなる。

4.両毛・上越線 444M 高崎行

小山9:28→高崎11:20
乗車列車:モハ210-3037

ここから乗り継いでいくは誰が呼んだか東京テラループの一である両毛線である。こちらは211系ツーマン運転で在り、トイレも中々古風ないでたちとなっている。ここもやはり終点まで寝て居られる安心感があり、伊勢崎あたりまでの記憶はない。伊勢崎で東武鉄道を横に見つつ、前橋方面へと進んでいく。かつて乗り入れていた実績があるからか、前橋大島駅の段階で既に「上野」の文字が見えてくる。新前橋からは上越線に合流し、高崎に至る。小山の段階では空いていた電車は立ち客も結構見られていた。

5.高崎線 1873E 熱海行

高崎11:32→大宮12:50
乗車列車:クハE230-8028

高崎駅は一大ターミナルであり、横川、高麗川、小山、水上、万座鹿沢口、東京と各方面に電車が走っている。発着ホームはかなりバラバラであるが、2・4番線から高崎線の電車が出ることが多いようである。切り欠きホームの3番線を見るついでに前の方に乗車する。長距離乗るとなればボックスシートの方がありがたい場面もあるので非常に助かっている。

高崎線は典型的な国鉄の幹線らしい様子の駅が多く見受けられる。流石長野、新潟方面への重要なルートとなっていただけあって、一部の新しい駅を除けば2面4線か、国鉄型2面3線の駅が多く見受けられる。もっとも、中線を活用するのはごく一部の退避などが主のようである。籠原で5両をつないで堂々15両編成での運転となる。とはいえいくら15両繋いでいたとしても、1,2号車のボックスシートが満載となるほどの混雑は見受けられない。

6.川越線 1873E 川越行

折角大晦日に鉄道用地に居るなら駅そばを食べたいと思って検索を掛けると京浜東北線ホームに駅そば屋があることがわかった(川越線・埼京線ホームと真逆の位置にある)。かきあげ蕎麦をかっくらって、コンコースにも駅そばがあることを後から見つけて後悔し、川越線に乗り換える。

しかも一遍ここまで来て引き合えしているのでほんとうにギリギリだった
ところでもう少し読みやすくならないものか

大宮13:11→川越13:34
乗車列車:モハE232-7237

川越線は単線にしては利用者が多く輸送密度は最大という。日新までは複線であるが、その先西大宮、南古谷で行き違いを行う。川越駅では3番乗り場に着く。

7.川越・八高線 1275H・1274E ワンマン八王子行

川越13:37→八王子14:48
乗車列車:クハ209-3501

的場駅にて 209系にトイレがないことを失念していた

川越駅では対面乗り換えで八王子行きが止まっている。接続が3分とスムーズなのは1時間に1回だけである(昼間パターンが川越の前後で異なるためである)。ここからは209系電車がワンマン運転となるのだが、そういえばこの電車トイレがない。なんとかどこかでと思ったら2駅先の的場駅で列車交換をするタイミングでなんとかなったというわけである。

かなりボロボロのモケット

209系は「走ルンです」などとと言っているのにかなりこき使われていて、車内も首都圏電車は同じような装丁なのにどことなく疲れているように見えてしまう。そして、同区間は2022年からワンマン運転が実施されている。発車メロディーは車両スピーカーから流されるWatar Crownになっている。しかもご丁寧に全駅で流れるのだからトラウマにのなりうるものである(ここまで通しで乗るほうが珍しというほかない)。単線区間ゆえに3,4回は行き違いをしているはずである。

改札へ繋がっていた地下通路は乗り換え専用になっている

駅舎が橋上化された高麗川駅からは八高線にはいる。駅を挟んで栄え具合が違うように見えたのは気のせいであろうか。実は川越駅を出た段階では立ち客もかなりいたのだが、ここまでくるとゆったりと座れる。
ここから先は中央線の文化圏に入っていく。拝島を過ぎれば八王子はすぐそこである。1時間とは思えないくらいの時間がかかったような気分である。

8.横浜線 1524K 東神奈川行

向こうに見えるは乗り合え専用通路

八王子15:00→橋本15:12
乗車列車:サハE233-6206

念には念をということでNewDaysで多少おにぎりを買っておいて横浜線に乗り換える。わずか4駅12分であり、その次の乗り換えのことしか考えていなかったように思う。

9.相模線 1562K 茅ケ崎行

八王子乗り入れはワンマン化直前のギリギリの期間だけのはずである。

橋本15:19→茅ケ崎16:16
乗車列車:サハE131-503

ついこの間まで205系電車が往来していた相模線。E131系電車に乗り込むがまたもトイレがないことに後から気づく。離合する駅のホームが結構狭いなと思っていたら寝ていた(またと思うかもしれないが本当にこの年末年始は睡眠時間が足らないのである)。

相武台下駅。色味が不思議なのは遮光ガラスのおかげであろう

10.東海道線 1634E 宇都宮行

茅ケ崎16:20→大船16:31
乗車列車:モハE232-3812

特急湘南用ホーム(東海道貨物線) 10日間の長期閉鎖である。

ここもサクサクとした乗り換えになる。若干電車が遅れていたようにも記憶しているが、調べようがない。当然東京方面行きの電車であるから混んでいる。

11.根岸・京浜東北線 1668A 南浦和行

大船16:41→鶴見17:22
乗車列車:モハE233-1006

本物だぁ!ってなったやつ
ゲタ電の所要時間とはこはいかに

大船駅の電光掲示板に圧倒されつつ乗り換える。根岸線電車であるのに、大宮行きではなく南浦和行きとなっている。乗車中に日没を迎える。

Part2に続く)