サンライズ号の収益性を野次馬してみる
今や寝台特急電車と言えばサンライズ号しか残っていない。しかしこのサンライズ号に用いられる285系電車も経年27年となり、関西の通勤電車ならまだまだ壮年くらいであろうが、そろそろ車両更新か或いは廃止かの話も出てもおかしくないくらいにはなってきたお年頃である。
今回は軽率にサンライズ号に準ずる新型車両の収益性を考えてみようと思う。まず現在の285系電車における座席数を確認する。
席種 | ←岡山方 東京方→ | 計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ノビノビ座席 | 28 | 28 | ||||||
ソロ | 29 | 29 | ||||||
シングル | 19 | 20 | 2 | 20 | 19 | 80 | ||
シングルツイン | 1 | 3 | 3 | 1 | 8 | |||
シングルDX | 6 | 6 | ||||||
サンライズツイン | 4 | 4 |
次いで寝台料金も確認しておく。
席種 | 席数 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
ノビノビ座席 | 28 | 530 | 指定席特急料金相当額 |
ソロ | 29 | 6600 | |
シングル | 80 | 7700 | |
シングルツイン | 8 | 9600 | 補助ベッド+5500円 |
シングルDX | 6 | 13980 | |
サンライズツイン | (4)8 | 7700 | 1人利用でも2人分の特急・寝台料金が必要 |
合計の乗車人数は159人となる。
以下、想定でしかないので、簡単に計算するために、全員が岡山から東京まで、通常期に乗車した場合の1編成(つまり出雲瀬戸を合わせれば倍になる)の収益額を計算しよう。
A特急券(自由席)は3300円、乗車券は10670円であるから、これを159倍して、上記の寝台券の料金を足せば、326万5750円となる。2列車往復を計算したければこれを4倍して、1306万3000円となる。なお、寝台券は固定だし、特急券は600km以上(横浜ー姫路で約615km)より上にはあがらないので、上記の試算は結構妥当するとは思われる。
もう少し突っ込んだ話をしておくと、そもそもサンライズに人は乗っているのかということである。JR東海の利用状況(ゴールデンウィーク・お盆・年末年始)を見れば静岡~浜松間の輸送量を載せていて、百人単位で四捨五入されているので大幅な留保が必要であるが、
GW(11日間):7000人
お盆(8日間):5000人1
年末年始(10日間):6000人
- 2024年度は南海トラフ地震情報の影響で。2023年度は台風で運休があったので、2022年度のデータにしている。
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042204.pdf ↩︎
となっている。1日あたりの通過人数の定員は約640人(出雲・瀬戸が往復であるから4編成分)となることからすれば、満員ということでよいはずである。それ以外に細かいデータを見つけることは出来なかった。
まあ一旦365日満員の8掛けだとすれば、年間の収益は381.4億円になる。果たしてこれでペイするのかどうかということだが…
もひとついえば、いざ新調するとして7両編成を2本つなぐということが今後継続できるのか?という事も気になる。岡山以東のホーム有効長などを見れば、意外と6両編成になったりするのでは?と思うところである(完全にJR西日本の都合になってしまうが…)。
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