JR九州「クイーンビートル」長期運休へ

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JR九州とJR九州高速船は、8月9日「クイーンビートルの運休について」と題するニュースリリースを公表した。曰く、

・2023年6月に国土交通省より発出された「輸送の安全確保に関する命令」を受け、JR九州高速船が同年7月に提出した改善報告書に記載の対策が実行されていなかった

・2024年8月6日実施の国土交通省によるJR九州高速船への監査(継続中)にて、安全確保に関わる重大な問題があるとの指摘を受け、JR九州が確認して判明

とある。これに引き続くニュースリリースが本日公表された。

JR九州高速船株式会社における安全確保に関わる重大な問題の発生について

要は

・2023年2月に船体のクラックを認めるが運輸局に報告しなかった
→これを受けて2023年6月に国土交通大臣から「輸送の安全確保に関する命令(海上運送法19条2項)」が発出
→2023年7月に改善報告書を提出
→2024年1月、浸水を確認し運輸局に報告
→2024年2月、浸水を確認し運輸局に報告せず
→5月、浸水量が増えたので警報センサーをずらす
→同月末運輸局に報告
→8月7日JR九州が本件を覚知

ということである。

なお、海上運送法上の輸送の安全確保に関する命令は、この5年の間に25件発出されている。定員オーバーや負傷者が出た場合、桟橋へ衝突した場合、検査時期を徒過した場合、労働時間超過の場合、などに発出されているようである(こちらから処分等の種類=輸送安全確保命令を検索すれば出てきます)。要は事故が発生した際には発出されるものである。

さて、JR九州高速船に発出された内容を見ると、法令を遵守して事故報告体制を整えよということを法令に照らしてそれぞれの立場が行うべきことを列挙している。他方で安全報告書提出のニュースリリース(リンク)を見ると、
 ➀経営トップの抜本的な意識改革
 ➁社外関係機関への速やかな報告と相談
 ➂事象発生時の継続的な最新情報の共有
 ➃全社員を対象とした安全意識の醸成と定着
としているのだが、今回の事象を見るにあまりにも見てられないレベルだろうと思われる。