東海道・山陽新幹線 最繁忙期はのぞみを全車指定に

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄

JR東海・JR西日本は東海道・山陽新幹線のピーク時期に「のぞみ」号を全車指定席にすると発表した。
この冬、年末年始は「のぞみ」号を全席指定席として運行します ― 3大ピーク期に「のぞみ」号の指定席を増やし、ご予約いただきやすくします ―

ここでいう3大ピーク期は、年末年始、GW、お盆である。
のぞみ号の最大運転本数は東海道区間(東京~新大阪)は毎時12本、山陽新幹線(新大阪~博多)は毎時6本である。それぞれ2020年、2023年のダイヤ改正から現在の本数になっている。

「のぞみ」号は品川駅が開業し、「ひかり」主体のダイヤから移行した、2003年10月1日から自由席が設定されており、現状3両が普通車自由席、10両が普通車指定席、3両がグリーン車指定席である。
平常の際はこれでもさしたる問題は生じていないが、年末年始、GW、お盆といった期間は自由席、指定席の通路だけでは足りず、グリーン車のデッキに乗せてもなお積み残しなどが発生しており結果的にダイヤ乱れが発生しているわけである。
そこで今回の措置が取られた。つまり、上記期間の東海道・山陽新幹線を運転する全ての「のぞみ」号はすべて座席指定制で運転される。もちろん、ほかの列車は通常通り自由席を設定する。自由席特急券・FREX(パル)・IC定期券による新幹線乗車サービスなどで「のぞみ」号に乗車する場合は(当然と言えば当然だが空席があっても)着席することはできない。また、「ひかり」「さくら」号の自由席に乗車・着席しようと並んでいても、混雑状況により、「のぞみ」号への乗車を案内する場合があるとしている。
2023年の年末年始の設定期間は2023年12月28日から2024年1月4日。今後は曜日配列をみて決定するとしている。また、上記ニュースリリースでは「スマートEX」「エクスプレス予約」の利用を勧奨しており、2023年10月1日から同サービスで1年前予約を始めるので活用してほしいとのことである。

今までの「のぞみ12本ダイヤ」の実績を見てもなお、ピーク期の混雑ぶりは目に余るところであり、今回の全席指定制は「最繁忙期料金で儲けよう!」などという意図では決してないと思われる(無論そのように書いてあるサイトももしかしたらあるかもしれないが…)。

普段から全席指定制で運転している列車であれば、

・指定席が売り切れた際には「立席特急券」が自由席特急料金相当額で発売される。利用列車は指定されている。(空席が空いていれば一応座っても差し支えないが、指定席特急券を持っている人が居たら譲る必要がある)
・盛岡以北の「はやぶさ」「こまち」であれば、満席でなくても「特定特急券」が自由席特急料金學で発売される。利用列車はしていされていない。空席が空いていれば座っても問題ないが、指定席特急券を持っている人が居たら譲る必要がある。

という感じである。そのため上記では「(当然と言えば当然だが空席があっても)着席することはできない」という書き方をした。
今回の場合、「のぞみ」号は普段から自由席を含む特急であり、しかも特定期間全車指定席にしようともFREX(パル)があるので、このあたりが難しいんだろうというところ。旅客営業規則57条の3、125条を丁寧に読めばわかるのだろうが、別表が多く今のところ難儀しています。端的に自由席が0席設定されている特急列車に自由席特急券で乗るというだけで考えればいいのだろうか…?