阪急電鉄 全駅にホーム柵設置&値上げへ
阪急電鉄は8月3日、全駅にホーム柵の設置を発表した。財源として「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用する。早い話値上げである。(2023年4月1日から)
全駅にホーム柵を設置するとともに、 全駅のバリアフリー化を目指します(阪急電鉄PDF,2022年8月3日)
現在阪急電鉄のほぼ全駅(中津駅など除く)で何らかの方法(エレベータ・スロープなど)でバリアフリー対応が行われている。他方で、可動式ホーム柵(いわゆるホームドア)が設置されているのは十三駅の3・4・5号線と三宮駅のみである。また車内のバリアフリー化も新車の導入によって進んでいる。
そしてバリアフリー設備の増強のため、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を利用することとなる。簡単に言えばその設備のための費用を運賃に転嫁することになる。普通券は磁気、IC共に全線一律10円の加算、通勤定期は1か月定期で380円などとなる。通学定期には設定がない。
一応2023~35年度の設定だが、その後も徴収されることになる見込み。
初乗り運賃は170円、最大の71~76kmは640円となる。
「鉄道駅バリアフリー制度」については国土交通省の施策である。
都市部の鉄道について、利用者に薄く広く負担をしてもらうというのがその狙いである。既に東京メトロやJR東日本でも導入(10円の加算)を決定している。
現在の鉄道の料金は上限認可制、特急などの料金は原則事前届出制となっている。基本的に消費税増税の時は例外として、単純に赤字なだけでは上限を引き上げることが(なかなか)できない(上限範囲で届け出をして変更をすることはできる、例えば運賃を値下げした北総が元の料金まで戻す分には上限認可が不要といえる)。これはあくまで事業者がもうけ過ぎないようにするというための規制である(なお目下その変更に向けて進んでいるところである)。
しかし新線に課される加算運賃のように別枠で何らかの目的をもって加算するような考慮は働いてよい。「鉄道駅バリアフリー料金制度」はその一環と言えるだろう。
(阪急のリリースを見ればわかるように運賃改定ではなく、料金設定になっている。)
さて、「全てバリアフリー設備の整備費等に充当」されるとするこの料金であるが、上記2035年度までに900億円程度を見込むバリアフリー整備とは以下の通りである。(因みにこの加算料金ではおよそ半額程度しか集まらない算段である)
まず、2021~2025年度のあいだにからホーム柵の設置を始める。いわゆるホームドアだけでなく、固定式ホームドアの設置も含んで全駅への設置を予定していると読める。イメージは先行して整備をした東急のような感じでいいだろうと思われる。本線には可動柵、支線には主要駅には可動柵、その他固定柵ということだろう。
2025年度までにホームドア8駅24番線、固定柵14駅25番線の整備、それ以降2035年度までにホームドア58駅143番線、固定柵3駅8番線となっている。意外と固定柵の設置が少ない。
車両のフリースペース整備、駅エレベータ、エスカレーターの更新も同じく始まることになる、あるいは既に始まっている
中津駅のバリアフリー設備、エレベータは2026年度以降ということもはっきりした。
参考)
バリアフリー設備の整備を促進します ~ホームドアは整備を拡大・加速~(JR東日本PDF,2022年4月5日)
ディスカッション
コメント一覧
>>1
それは今回の趣旨にそぐわないところだと思います
そもそも中津駅は、バリアフリー化する必要が有りません。新大阪連絡線の開通時に廃止(うめきた新駅に駅機能を移転させる)した方が良いです。