阪急神戸線武庫川上に新駅設置へ

2024年4月26日阪急電鉄

西宮市は9月3日、阪急神戸線の武庫川周辺に新駅を設置することに関して、県、尼崎市、阪急電鉄の4者との協議の報告書を掲載した。

参考までに、 平成28年時点での報告書はこちら(尼崎市HP)

新駅設置予定となるのは西宮北口・武庫之荘間で、西宮北口から1.7km、武庫之荘から1.6km地点を想定している。すなわち西宮市と尼崎市の市境となる武庫川橋梁上となる。これまでの調査から新駅予定地1km圏内の人口増加(減少抑制)を期待でき、固定資産税など税収への効果があり、周辺駅(JR甲子園口や阪急武庫之荘など)での放置自転車・駐輪場不足の問題の解決が見込まれるとされていた。

まず新駅の構造について。武庫川上に2面2線相対式ホームを設置。川の両岸(西宮市、尼崎市双方)に改札口が設置されることになる。(画像は上記報告書より引用)
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ここからは机上の空論となりかねないが、新駅ができるとして駅名はどうなるだろうか。ストレートに「阪急武庫川」としたいところだが既に阪神本線に武庫川駅(こちらも川の上に駅がある)があるためそのような駅名もつけづらい。芦屋川に対する芦屋のような命名は既に武庫之荘に取られているようなものである。となれば「新武庫川」とでもなるのだろうか。
駅ナンバリングも西山天王山駅のように事前に開けているわけではない(ニュースリリースはこちら)のでHK-07とHK-08の間に-07Aとするのか、空いている番号であるHK-31をねじ込むのかこの辺りは完全にマニアックな話になろう。
参考までに、周辺地名(新駅1km圏内の町名)の一覧を引用しておく。

西宮市
堤町、上之町、日野町、荒木町、大森町、長田町、大屋町、瓦林町、天道町、松山町、松並町、熊野町、二見町、甲子園口北町
尼崎市
南武庫之荘6丁目、南武庫之荘7丁目、南武庫之荘8丁目、南武庫之荘9丁目、南武庫之荘10丁目、南武庫之荘12丁目、武庫町1丁目、武庫町2丁目、武庫町3丁目、武庫町4丁目、武庫元町2丁目、武庫元町3丁目

ついでに停車種別も検討しておこう。
順当にいけば急行(梅田、十三、塚口、西宮北口以遠各駅停車)より上の種別と今津線直通準急は通過、他方通勤急行(梅田、十三、塚口以遠各駅停車、武庫之荘も停車)は停車することになるだろう。ただ利用者が当面少ないことなどから検討が行われるかもしれないところではあろう(通勤急行のある夕ラッシュ時間帯は武庫之荘は毎時12本停車になっている)。

今回の報告書では西宮、尼崎両市における課題や新駅設置に伴う費用、国庫からの補助金の活用如何またその条件、特に武庫川上に造られることから洪水を念頭に災害対策などの検討がまとめられている。
新駅設置に伴う費用は周辺道路の整備や駐輪場も含め60億円と概算された。また国庫による補助を受けるための条件としての両市の都市地域総合交通戦略や立地適正化計画の練り直しについてや、補助を受けた際の費用負担割合についても記載されている。
実際財政状況は現状厳しくなっている(元々尼崎市が一番厳しい)。そのため計画が進行しきるかどうかまではわからない。ただ今回の報告書でより具体的な検討が行われたことから正式決定へ向けて一歩前進したことは言うまでもない。順調に進めば2020年台中の開業も難くないだろう。