JR九州、特急料金を本州のA特急以上へ値上げ 【22年4月から】

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄,運賃関係

JR九州は8月3日、特急料金の見直しを発表した。実施日は2022年4月1日から。
ニュースリリースは以下、
https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2021/08/03/210803_zairaisen_minaoshi.pdf

以下改定内容を見ていく。
①自由席特急料金
現行のJR九州は「B特急料金」を採用している(JR西日本、東日本とほぼ同額だが、100km以下は25km刻み)が、これをほぼA特急料金並に引き上げる。改定内容は表の通り。なお、参考としてJR本州各社+四国が採用しているA特急料金を載せている。

現行 改訂 A特急
~25km 310 500
~50km 630 750 760
~75km 840 1000
~100km 950 1200 1200
~150km 1250 1800 1860
~200km 1410 2200 2200
~300km 1520 2400 2420
300km~ 1680 2600 2640

※A特急料金の300km~の欄は400kmまでの料金を表示。

②自由席の特定特急料金
こちらも規定料金に沿った形の値上げとなった(500円以上かつ10の位を0にするように切り上げたようである)

③指定席特急料金
現行であれば、自由席の530円増しというのが全国一律のルールである(むしろ、指定席料金を基準に、自由席やグリーン車向け料金が530円引き考えるのが一般的)ところを、今回の改訂で特定日(原文では対象日)に730円増しと変更した。(要は繁忙期特急料金の復活である。なお、指定時期は本州3社+JR四国の繁忙期と同じである。また閑散期の指定はない。)以下自由席特急料金と同様の表を掲げる

現行 改訂 A特急
~25km 840 1030
~50km 1160 1280 1290
~75km 1370 1530
~100km 1480 1730 1730
~150km 1780 2330 2390
~200km 1940 2730 2730
~300km 2050 2930 2950
300km~ 2210 3130 3170

※A特急料金の300km~の欄は400kmまでの料金を表示。また、改定後運賃、A特急料金は通常期のみ記載。(繁忙期は+200円、A特急料金のみ閑散期は-200円)
(観光特急の特例は省略します)

以上見てきた通り、現行の案内ではJR九州の特急は廉価なB特急料金(JR九州全体がB特急料金適用区間としているため、JR九州内にA特急料金適用される場所がない)で乗車できるが、今回の改訂で本州のA特急料金並、もしくは本州での閑散期ではそれ以上の値段となった。(100km以内を25km刻みを維持するのはまだ良心的といえよう)

…いや、本州に合わせればええやん
と思ったのは私だけではないはず
無論、JR各社は別々の会社であるから経営状態も運転形態も特急料金の形態もバラバラで誰も文句言えないけど、同じJRを名乗っているのにここまでルールが違うと余計に頭が混乱する。ここまで似通った制度にするなら(閑散期を適用しないにしても)料金の数字くらい揃えてもよかったのでは?と思いたくなる。

これだけを言いたいのではない。上のプレスの2ページ目に(参考)として挙げられていた主な区間例の表には今回の現行、改訂料金と共に、「九州ネットきっぷ」の料金も併記されていた。区間によっては特急料金込みで通常の普通運賃より安い区間、特急料金込みで半額以下という区間もあった。

※画像は上記ニュースリリースより
果たして、これは利用者本位と言えるのだろうか??
通常きっぷの料金を吊り上げてみどりの窓口を減らしたい意図が透けて見えるし、「合理化」に躍起になるのはJR九州の現状からして理解できる。ただ、「九州ネットきっぷ」の存在を知っているか否かで相当な運賃の差異が出ることを許容するというのは、良心的と全くもって言えないだろう。(恥ずかしながら、私はこのリリースを見るまで知らなかった)このような態度が透けることが、あるいは「(安いきっぷがあるのを知らず)JR九州は値上げばかりで利用者のことを考えていない」と思われることが広まればそれこそ窮地に追い込まれるのではないだろうか?