京阪電車、全線でダイヤ変更 【21年9月実施】

2024年4月26日ダイヤ改正,京阪電車

京阪電車は2021年7月8日ニュースリリースでダイヤ変更の実施を発表した

https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2021-07-08_diagram.pdf

ダイヤ変更日は9月25日土曜日。約2か月半前の予告となった。

なお前回の京阪電車のダイヤ変更は(京阪線部分に関して)今年1月に行われている。その内容は以下の通り

3000系にプレミアムカーを導入し、プレミアムカー付き特急の本数を約1.6倍に、昼間はほぼ全特急にプレミアムカー併結(ただし早朝深夜一部のプレミアムカーでサービス中止)
朝に京橋方面へライナー増発
快速特急洛楽の所要時間を一部短縮
深夜帯で列車を見直し、終電繰り上げ(10分以下程度) 

ニュースリリースではまず京阪電車の利用状況の変化が記されており、1日当たり30%の利用減となっている。また各時間帯での減少割合も記されている。今回のダイヤ変更ではその割合に概ね準じた列車削減が行われている。このことを踏まえ今回の変更内容を見ていく。
I.京阪線(本線、鴨東線、中之島線、交野線、宇治線)
1)昼間時間帯の本数削減
現行ダイヤでは昼間時間帯は10分ヘッドでのダイヤが組まれており、1時間当たり以下の本数の運転となっている
特急:  淀屋橋ー出町柳間 6本 (プレミアムカー連結)
準急:  淀屋橋ー出町柳間 6本
普通:  中之島ー萱島間 2本 中之島ー枚方市間 4本
交野線、宇治線:それぞれ6本
しかし今回のダイヤ改正では15/30分ヘッドでのダイヤとなる。1時間当たりの運転本数は
特急:  淀屋橋ー出町柳間 4本 (プレミアムカー連結)
快速急行:淀屋橋ー出町柳間 2本 (プレミアムカー連結)
準急:  淀屋橋ー出町柳間 4本
普通:  中之島ー(明示はないが恐らく枚方市)間 4本

まず快速急行にプレミアムカーが連結されるのは初である。今まで急行にプレミアムカーが使用された実績はあったものの、結局運用の調整により廃止されていた。特急を6本のまま維持しなかったのはダイヤを組みやすくする目的があると思われる。(3000系は快速急行用に導入されたことを考えると原点回帰ともいえるが、元は中之島線向けであったことを考えると複雑であろう)。快速急行の止まる守口市、寝屋川市、香里園各駅ユーザーはやや得をした形にはなった。
他の駅は純粋に33%カットとなる。これは輸送人員の変化にそのまま合わせた形と言えるだろう。故にもし需要が一定程度回復すれば本数がまた増えることも考えられうる。

2)始発時間の変更
淀屋橋駅の始発が現行5時04分、中之島駅の始発が5時12分となっているが改正後は淀屋橋駅の始発が5時33分、中之島駅が5時00分となる。
恐らく現行の淀屋橋駅始発列車(淀屋橋→出町柳:普通)を運用に合わせそのまま中之島駅に振り替えた結果であるが、淀屋橋駅の方が圧倒的に利用者が多いことを考えるとやや不思議な感も否めない

3)朝ラッシュ時間帯の本数削減
平日7~8時台に京橋駅に到着する淀屋橋・中之島行き列車の本数を63本から58本に減らす。朝ラッシュ時間帯はそこまで需要が凹んでいないことを受けての微減と言える。ただ通勤準急が5連続でやってくるような現行ダイヤがどの程度変容するかは未知数である。

4)夕ラッシュ以降深夜までの運転間隔変更
17~20時台を10分ヘッドから12分ヘッド、21時台は12分ヘッドのまま、22時台は12分ヘッドから15分ヘッドとなる。これも現行の利用者の減少に合わせた改正と言える。

5)ライナーの増発
淀屋橋行きライナーは樟葉駅発を1本増発し計5本、夕方出町柳行きライナーは2本増発し計4本とする。
増収策を図る狙いであることは間違いないだろうが、減便による運用を捻り出しも大きいのではないだろうか。

6)最終列車の繰り上げ
各線20分程度の繰り上げとなるが、この改正により深夜急行が廃止されることになる。(なお、4月30日から実施の終電繰り上げ実施により運行停止中)
スクリーンショット 2021-07-08 162535
画像はニュースリリースより引用
深夜急行の実質的な後継は快速急行となる。深夜急行との停車駅の違いは(快速急行が)守口市に停車する、というだけとなる。
出町柳駅から大阪方面への終電の繰り上げ方も独特で、淀屋橋駅まで行く最終列車の時間をあまり下げたくないという意思が急行から快速急行に上げているところから見て取れる。そして終電に急行をもってきているのもまた独特である。

II.大津線(石山坂本線、京津線)
1)昼間時間帯のダイヤ変更
石山坂本線の昼間において、近江神宮ー坂本比叡山口間を10分間隔から20分間隔に間引くことになった。
2)学休期ダイヤの導入
石山坂本線で、春休み、夏休み、冬休みに相当する期間の平日の朝ラッシュ時間帯のダイヤを本数を減らす「学休期ダイヤ」とする。

なお、今回の改正で京津線に関して大きな変更はない。