並行在来線の話を整理しよう

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄,ダイヤ改正

並行在来線の話が北や南でいろいろ出てくるもんだから頭の中で混乱を来している。折角なのでこの辺りで纏めておきたい。

並行在来線は整備新幹線と並行して運行される在来線区間でこれをJRではなく第三セクターに移管するか否かが問題となっている。
そのため整備新幹線でない新幹線区間においてこの話は出てくることはない(なかった)。
つまり東海道新幹線、山陽新幹線、上越新幹線、東北新幹線の盛岡までの区間に関しては従前の通りJRが運営している。

では各新幹線の区間と対応する在来線、そして並行在来線としての処遇、またそれに伴い”取り残された”JR線を見ていこう。

北海道新幹線
・札幌~新函館北斗 (未開業)
函館本線:函館~長万部
→貨物鉄道としての役割があるため、旅客廃止が直ちに廃線につながる可能性は低い。
どちらにせよ経営分離となる。
函館本線:長万部~小樽
→旅客廃止の公算が高く、廃線になる可能性もある。なお倶知安・余市~小樽間は鉄道存続の要望が特に高い。どちらにせよ経営分離となる。追記:廃止が内定
函館本線:小樽~札幌
→「札幌都市圏輸送の使命を担っており、新千歳空港方面や岩見沢方面と一体的な列車の運用を行っていることからJR北海道が運営を継続予定。」 引用元:北海道新幹線の概要(JR北海道)
・新函館北斗~新青森(平成28年3月26日開業)
江差線:五稜郭~木古内  37.8km
→道南いさりび鉄道に移管(第一種鉄道事業として)。従前の通り函館~五稜郭間はJRに乗り入れ。
(函館本線:新函館北斗~函館はこの開業時には動きなし、またこれに先立ち平成24年に江差線:木古内~江差廃止)
海峡線:木古内~津軽二股
→定期旅客営業列車がなくなる
津軽線:三厩~青森
→JR東日本がそのまま運営

東北新幹線

・新青森~八戸(平成22年12月4日開業)
奥羽本線:新青森~青森
→JR東日本がそのまま経営(そもそも並行在来線でないとする説もある)
東北本線:青森~八戸 96.0km
→青い森鉄道に移管(第二種鉄道事業として、線路は青森県が保有)
大湊線:野辺地~大湊
→JR東日本がそのまま運営。孤立区間となるが、青森駅、八戸駅までそれぞれ乗り入れ継続。
・八戸~盛岡(平成14年12月1日開業)
東北本線:八戸~目時 25.9km
→青い森鉄道に移管(第二種鉄道事業として、線路は青森県が保有)
東北本線:目時~盛岡 82.0km
→IGRいわて銀河鉄道に移管(第一種鉄道事業として) 花輪線列車は今まで通り盛岡駅まで乗り入れ。

北陸新幹線(長野新幹線)
・高崎~長野(平成9年10月1日開業)
信越本線:高崎~横川
→JR東日本がそのまま運営
信越本線:横川~軽井沢
→廃線。そのままバス転換
信越本線:軽井沢~篠ノ井 65.1km
→しなの鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
信越本線:篠ノ井~長野
→JR東日本がそのまま運営。しなの鉄道は長野まで乗り入れ。
・長野~金沢(平成27年3月14日開業)
信越本線:長野~妙高高原 37.3km
→しなの鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
信越本線:妙高高原~直江津 37.7km
→えちごトキめき鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
北陸本線:直江津~市振 59.3km
→えちごトキめき鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
北陸本線:市振~倶利伽羅 100.1km
→あいの風とやま鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
北陸本線:倶利伽羅~金沢 17.8km
→IRいしかわ鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
大糸線:糸魚川~南小谷、高山本線:富山~猪谷、氷見線、城端線、七尾線:津幡~七尾
→JR西日本がそのまま運営。後者3つは孤立路線に。
・金沢~敦賀(未開業)
北陸本線:金沢~大聖寺
→IRいしかわ鉄道に移管予定(第一種鉄道事業として)
北陸本線:大聖寺~敦賀
→福井県三セク会社に移管予定(第一種鉄道事業として)

九州新幹線(九州新幹線鹿児島ルート)
・鹿児島中央~新八代(平成16年3月13日開業)
・新八代~博多(平成23年3月12日開業)
鹿児島本線:鹿児島中央~川内
→JR九州がそのまま運営
鹿児島本線:川内~八代
→肥薩おれんじ鉄道に移管(第一種鉄道事業として)
鹿児島本線:八代~新八代~博多
→JR九州がそのまま運営

西九州新幹線(九州新幹線長崎ルート)
・長崎~武雄温泉
鹿児島本線:長崎~諫早(旧線含む)
→JR九州がそのまま運営
鹿児島本線:諫早~肥前山口
→JR九州が第一種鉄道事業廃止。線路は一般社団法人嵯峨・長崎鉄道管理センターが保有(第三種鉄道事業者)、JR九州は第二種鉄道事業者として運航継続