【11月追記】「バリアフリー料金制度」を見ていく【利用者負担より鮮明に】

2024年4月26日運賃関係

「バリアフリー料金制度」なるものが導入されつつある。ここでいうバリアフリーの具体化は、ホームドアの増設や、エレベータ・エスカレータなど段差解消の設備のことを指している。国土交通省の説明によれば「鉄道駅のバリアフリー化により受益する全ての利用者に薄く広く負担を頂く制度」として定義づけられている。

この制度は主に三大都市圏を中心に、「利用者に過度の負担感を与えないもの(1乗車10円程度)」の徴収をし、徴収額が整備額を超えない範囲で設定される。
そして上限認可が必要な運賃とはことなり、届出のみでできる制度になっている。そのためにどのような整備を行うかなどについては全て事前の公表がなされている。

徴収開始は2023年4月から。終了は一応2036年3月となっているが、その後も実施されるだろう。導入予定の全社とも1乗車10円、通勤定期は1月あたり300~400円程度、通学定期は免除となっている。対象区間は私鉄は全線(※京阪は京阪線のみ)、JR東日本・西日本は電車特定区間(+α)となっている。

整備内容は各社によってさまざまである。阪神電車の場合はホームドアを49駅中32駅に整備する。阪急電鉄の場合だと一部駅はホーム柵での対応を取る。山陽電車はエレベータ、スロープの設備に限ってホームドアは設置予定がない。他方で東京メトロの場合、ホームドアの整備が相当進んでいるので、同設備の更新が主な予定にしている。特徴的なのは京阪電車で、駅放送システムの更新や、車両更新(2編成12両)もここに含んでいる。
なお、運賃改定のための運賃表の改修も同料金から捻出できる。また、各社元々の整備計画を前倒しするなどしている。

利用者に対して設備投資の転嫁を明示的に行う制度は恐らく初である。現在ある制度の中で例えば新線の加算運賃などはあるが、これはあくまで新線新設のための工事費用の転嫁である。
運賃収入ですべてをまかなう、値上げは基本的にさせないというところからの転換である。今後どうなるかわからないが例えば「車両新造のため」などと言った運賃加算もより現実的になってきたと言えるだろう。

今回は大方の会社が実施を宣言したので書いてみた次第である。

~参考~近鉄と東急と南海は単純な値上げである。【2022年11月18日追記】なお、特記がない場合は2023年春実施と解していただきたい。近畿圏は4月1日、首都圏は3月頃実施が多い。
また、値上げにつき、京王電鉄、京急電鉄も検討中とのことである。名鉄につき、報道がない。
JR東日本
バリアフリー設備の整備を促進します(2022年4月5日)
JR東海(※東海地区は2024年4月1日からの実施)
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したバリアフリー設備の整備の推進について(2022年11月17日)
JR西日本(2023年度、2025年度で順次実施)
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用して バリアフリー設備の整備を加速してまいります (2022年8月19日)

東武鉄道
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し ホームドア整備駅を拡大・整備の推進を加速化します(2022年4月28日)
西武鉄道
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し バリアフリー設備の整備を着実に推進します(2022年8月4日)
東急電鉄(※運賃の値上げ)

鉄軌道旅客運賃の改定申請が認可されました(2022年4月8日)
相模鉄道
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、ホームドアの全駅整備などを確実に推進します【相模鉄道】(2022年10月21日)
東京メトロ
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し円滑な移動の実現に取り組みます(2022年4月25日)
小田急電鉄
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、設備の整備を推進します(2022年8月4日)
近畿日本鉄道(※運賃の値上げ)

鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました(2022年4月15日)
南海電鉄(※運賃の値上げ)2023年10月実施予定
鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行いました(2022年10月28日)
京阪電車(※京阪線のみ)
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー設備の整備を加速します(2022年8月5日)
阪神電車
更に安心・快適に。 全駅へのホーム柵の設置を目指します(2022年8月3日)
阪急電鉄
全駅にホーム柵を設置するとともに、 全駅のバリアフリー化を目指します(2022年8月3日)
西日本鉄道
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、駅のバリアフリー設備の整備を推進します(2022年9月21日)
新京成電鉄(※一部区間の特定運賃廃止)
京成津田沼駅と北習志野駅の相互利用区間における特定運賃の廃止について(2022年9月9日)
神戸電鉄
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し円滑な移動の実現に取り組みます ~全駅においてバリアフリー施設の整備を着実に推進~(2022年8月4日)
山陽電鉄
「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し 円滑な移動の実現に取り組みます (2022年8月10日)
Osaka Metro
鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー化の促進に取り組みます(2022年8月10日)