JR西日本、閑散線区の営業係数公開
JR西日本は11日、従前より予告していた通り輸送密度が2000人未満の線区について営業係数を公開した。
端的に言えば
・人口減少が進んでいる(参考資料)
・自動車、高速道路が普及した(同上)
・鉄道が環境に優しいというけど1両当たり50人程度乗っていないと実はそうでもない(同上)
・持続可能な輸送体系を構築したい
・鉄道の特性が発揮できていない線区(輸送密度2,000人未満)の営業係数を公開する
・また輸送密度の変遷も公開する
ということである。
営業係数は要はその線区で100円稼ぐのにかかる費用である。
今回公開されたところでは例を挙げると(数値は2017-19の3年平均)
・播但線(和田山~寺前):340円
・関西本線(亀山~加茂):685円
などであり、一番大きいところで言えば芸備線の東城~備後落合間の25,416円である
営業係数で注意すべき点は
・費用との割合であるため、輸送密度と完璧な反比例ではない
・赤字額は全体の費用から決まるため、営業係数の高さが赤字の大きさではない
・閑散線区のみの利用でなく他線区との繋がりも意識されるべきである(例えば芸備線であれば広島まで直通しての利用となっているが、それら線区は公開されていないし、三次~下深川間がその需要を下支えしていることを忘れてはいけない)
あたりと思われる。
輸送密度の民営化直後との変遷を見ると確かにドロップダウンしている(一番下がっていない線区でも姫新線:津山~中国勝山間の60%)がワンマン運転やキハ120系の導入などで赤字圧縮できている部分もあったのではないか?とも考えたり
短絡的な廃線につながりそうな勢いで話があったのでそれについても書くと
・通勤通学需要を考えるとバス転換が無理な線区も多い
・学校や病院近くなどの需要を見込めるところに駅が必要
・JR西日本は徐行しすぎていて輸送機関としての役割を果たせていない部分が大きい
・第三セクター線の経営戦略の差異を考える必要がある(運賃差などもあるが…)
・(勿論私企業にこれを言うのは酷な面もあるが)公共交通機関としての責任やインフラとしての鉄道網を維持する役割を背負わされている面を軽視している
辺りの議論はもっとなされるべきだと思う
実際国鉄の存続期間とJR転換後の期間がほぼ同じくらいになっていることからして、そろそろ根本からの見直しは必要な時期かもしれない(実は国鉄としての歴史は意外と短い)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません