大糸線(JR西区間)結構危ない??

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄

JR大糸線は糸魚川と信濃大町を結ぶ国鉄線と、信濃大町と松本を結んでいた私鉄を合わせた路線として現在新潟側(糸魚川-南小谷)は非電化でJR西日本が、長野側(南小谷-松本)は電化でJR東日本が運営している。

従来糸魚川~信濃大町間に関して「活性化協議会」が実施されていていた。

糸魚川市、小谷村、白馬村、大町市、新潟県交通政策局、新潟県糸魚川地域振興局、長野県企画振興部、長野県北アルプス地域振興局、西日本旅客鉄道株式会社が会員、JR東日本がオブザーバーという形で話合いの場が持たれていたことは間違いない。

しかし、JR西日本は2022年2月3日、「大糸線沿線の活性化および持続可能な路線としての方策検討の開始について」というリリースを発表した。

曰く「地域の現状、公共交通の概況、ご利用状況、移動特性、沿線住民ニーズ等を共有し、地域の振興や未来に資する持続可能な路線としての方策について幅広い議論を行い、適宜取りまとめを実施。」とある。要は廃線も考えていますと言わんばかりである。実際5月19日に会合が持たれていたことは間違いないと言える。
持続可能性、幅広く議論 大糸線・沿線自治体が初会合(新潟日報)

とはいえ似たようなことを芸備線や姫新線で実施してきていたがどうもそれよりも危機感を持って考えた方がよさそうであると言える。

というのも国鉄からの転換時の輸送密度が1000程度とすれば現在は2桁まで落ち込んでいるからである。

運転本数などを見るとそのことが顕著と言える。

1964年時点では信濃森上までが電化で、県境区間8往復+区間列車5往復、更に新宿発の準急が1往復
1982年時点ででも県境区間10往復+区間列車3往復、松本金沢間の急行が1往復
1988年、民営化直後でもその本数は変わらないが、急行の直通運転がなくなる(L特急あずさが南小谷までくる)
そして現在のダイヤになると県境区間7往復+区間列車2往復になっている。

輸送密度が1/10になったのに、本数はあまり変わっていない。
もう少し補足すれば、JR東区間も含めた大糸線全体の利用者数は減少していて、国鉄解体直前比で、松本~信濃大町間は30~50%減、信濃大町~白馬間は70%減、白馬~南小谷は80%減と言ったところである。

さて話をJR西区間に戻そう。利用促進策のよくあるものと、それができないということを示したい。
①列車の増発→同区間で交換設備が1駅しかない。5駅で撤去されてしまっているため、これ以上スジを敷くのがかなり困難であると言える。
実際バスで増発した事例があるので参考までに示しておくが、利用促進のために使える設備が少ないことが明白である。

②列車の直通→芸備線であれば快速みよしライナーを延長して庄原ライナーとすることがある。しかし例えば、特急あずさを南小谷から糸魚川まで延長運転としたくてもできない。なぜなら南小谷~糸魚川が非電化であるためどうしようもない。
じゃあ北陸本線、もといえちごトキめき鉄道からの直通は可能か。一応可能であると言えるし、折り返して泊方面、直江津方面へと運転できるといえる。(実施するかは別問題)

③設備強化→JR四国が一線スルー化などすることもあるが、それを含めても交換設備の増強を行うか否かは問題である。中土駅、平岩駅では一応側線が残ってるていうことになるが、そこの交換設備、信号の復活をするのかどうかは考え物である。少なくともJR西日本はやらないから新潟、長野各県が補助金を出すなら…ということになる。

④駅増設→高山本線婦中鵜坂駅などのような例がある。糸魚川、姫川間に1駅置けなくもない気がするところではあるが…

複数写真を掲示しておしまいにしたい。

根知駅。交換設備があるのがここだけとなる。交換用線路が撤去されているようなところを撮ればよかったんだが….



糸魚川駅4番線。JRだけ離れているところにある感じである。