JR西日本、無人化を美化語にした? 【「人ならではのサービス」】

2024年4月26日JR各社/三セク国鉄

今日のJR西日本のニュースリリースより 岡山支社のものである

「みどりの券売機プラス」導入及び駅の体制変更について

最近JR各社はそれぞれ「みどりの窓口」の数を減らしにかかっている。その代わり指定席券売機を置くことが多い。これをJR西日本は「みどりの券売機」と呼んでいる。なるほどわかりやすい名前である。またさらに通学定期券。学割適用購入などのために導入されるアシストマルスには「みどりの券売機プラス」の名をつけている。そして営業時間を「窓口」時代より大幅に長くしていた。
これを山陽本線松永駅と赤穂線西大寺駅に導入する。これに関してはもとから進んでいた流れである。

問題はもう1つである。2022年2月末をもって山陽線金光駅、赤穂線長船駅、同邑久駅にて「みどりの窓口」の営業を終了する。
そして導入されるサービスが”駅係員が巡回してサポートする「人ならではの
サービス」
”である。
ちょっと待ってほしい。これはもともと有人駅であればやっていたはずである。みどりの窓口の営業中でも車いすの方が利用するとなればその乗降補助を優先するという形である。
と思って各駅のサイトを見てみると

2022年3月1日(火)より、○○駅は○○駅の駅係員が巡回し、サポートする体制になります。これに伴いまして、2022年2月28日(月)をもって○○駅の「みどりの窓口」の営業と駅スタンプの設置を終了させていただきます。駅でお困りの際は、インターホンでお気軽にお尋ねください。

要は無人化であった。なら正直にニュースリリースでも無人駅としますと書くべきだろう…
ちなみに「人ならではのサービス」は

将来にわたってお客様に快適に駅・列車をご利用いただくため、みどりの券売機プラス等の設置や ICOCA エリアの拡大、ネット商品の拡充等、お客様がご自身でご利用いただける環境整備を行い、おからだの不自由なお客様へのサポートや、綺麗な駅の環境づくりなど、人だからこそ提
供できるサービスに特化し、お客様お一人おひとりのニーズに合わせたきめ細やかなサービスの提供を目指す取り組みです。

これに関しては前からやっている!と言っていいのではないだろうか。つまりは自動改札機券売機の導入も大きくみればこの観点に入っている。人海戦術から機械に任せられるとこは任せる。というのはどの職域でも行われていたはずで、回りくどくサービス向上ぽさを示す意義もなかろう。(もちろんどうであれ企業努力だけれども)

参考までにJR東海でもこのようなシステムを導入していることを書いておく。書き方としてはこちらの方が論理的であるように感じられる
武豊線への集中旅客サービスシステムの導入について(2012年11月)
JR東海、東海道本線に集中旅客サービスシステムを導入(2016年12月,東海道本線岡崎~豊橋間)
集中旅客サービスシステムの導入駅拡大について (2019年11月,関西本線,東海道本線大府~岡崎間)

JR九州はもひとつ正直に駅員不在、販売窓口の中止と明示している
駅体制の見直しについて (JR九州,2021年12月)

今回のJR西日本の発表の伝え方をどう評価すべきか、読者に委ねたい。