JR3社、特急料金の区分変更、追加へ【最繁忙期】

2024年4月26日未分類

JR北海道、JR東日本、JR西日本は10月5日、新幹線の指定席特急料金の区分に「最繁忙期」を追加し、また区分の期日を変更すると発表した。適用日は2022年度から。
ニュースリリースリンクはこちら(JR北海道HP、他2社も同様)

変更となるのは新幹線(※)指定席特急料金のみで、現行では繁忙期、通常期、閑散期の3区分であり、通常期を基準として+200円、0円、-200円の差額となっている。
(なお自由席特急料金は-530円であり、グリーン車などはそこに対応する料金が加算される仕組みであることには変わりない)
※北海道・東北・秋田・上越・北陸各新幹線と、JR東日本の一部の特急列車(現行でも通年同額のものを除く)、快速列車

変更内容は以下の通り:
①これらの3区分に最繁忙期を追加する。これは通常期の+400円に相当する料金になる。期間は2022年度の場合GW(4/27~5/6)、お盆前後(8/10~8/19)、年末年始(12/28~1/6)の計30日。
②繁忙期、通常期が減り、閑散期が増えることになる。現行との日付ごとの比較では値上げは46日、値下げは51日(うち400円増し1日、400円減3日)。具体的な変更はこの通り

・最繁忙期(0日→30日)
現行:なし
改定:GW(4/27~5/6)、お盆前後(8/10~8/19)、年末年始(12/28~1/6)

・繁忙期(84日→41日)
現行:春休み(4/1~5)、GW(4/28~5/6)、夏休み(7/21~8/31)、年末年始(12/25~1/10)、春休み(3/21~3/30)

↓大幅に変更、最繁忙期前後が必ずしも繁忙期とは限らず、利用の多い時期を端的に狙って繁忙期とする

改定:春休み(4/1~5)、海の日前後(7/15~18)、夏休み(8/1~9)、シルバーウィーク(9/16~19,22~25,10/7~10:3連休と4連休の休前日から)、春休み(3/21~3/30)

・閑散期(82日→106日)

現行:6,9,11,12月1(中旬)~2月の月~木曜、ただし、休前日と祝日を除く

↓適用シーズンを大幅に増やす、そのため閑散期と最繁忙期が隣接することもある

改定:4/21~5/10、6/1~7/15、9/1~10/10、11~2月の月~木曜、ただし休前日と祝日を除く。

・通常期(199日→188日)
その他という意味では変わりはない。

今回の改定によって、かなりフレキシブルな料金設定になった(が、自由席やグリーン車、グランクラスは年中均一のまま)。今までのルールはとりあえずざっくり全部繁忙期にしていたところを一番混む3シーズン30日を最繁忙期、そのほか細々と繁忙期を設け、残りは閑散期にするか、通常期にするというかなり込み入った構成になっている。そのため1日違えば特急料金が600円異なるということがあり得る。混む時を避ければええんやで、という利用者目線の変更だろうとも考えられる

ただ、JR九州も同日から特急料金を在来線含め全てで変更する。(8月3日発表)繁忙期のみの設定でむしろ現行のJR他社がやっているようなものになる。
また恐らく、座席未指定券制など料金システムへの変更を近年多く桑ているJR東日本が主導して今回の改定を行っただろうが、JR西日本、北海道の在来線は現行据え置き。更にJR西日本の場合、山陽新幹線は東海道新幹線の絡みもあり現行通り
JR各社で料金制度が異なり、かつ同じ社内(JR西、北)でも多いに異なるという仕組みは果たして利用者本位だろうか。

飛行機や高速バスと異なり、線路が繋がっていて複数社を利用することは充分あり得ることを忘れてはいけない。つまり、各社がバラバラの制度を敷くだけで利用者がマイナスの印象を抱く可能性があるということである。

そのため、JR東海、四国、およびJR北海道やJR西日本においても制度設計の変更を行うだろうかは続報に注視する必要がある。

参考:JR九州の特急料金の改定に関する記事はこちら
JR九州、特急料金を本州のA特急以上へ値上げ 【22年4月から】

2022年10月27日追記
他社線についても同様の制度が導入された。