都市型ワンマンと地方型ワンマン、混ぜるな危険
JR西日本はローカル諸線区にICカードリーダー車載の新型車両を導入し、ICOCAエリアの拡大に努めている
しかし、その乗車方法というのがかなりわかりづらくなっているのではないかというのが今回の話。
七尾線を例に挙げる。2021年春ダイヤ改正で521系電車の導入が完了し、ICOCAサービスの利用が開始された。と同時にワンマン運転も本格導入となった。
そのニュースリリースで示されている普通電車の利用方法がとにかく理解しづらいのである。
参照ニュースリリースは以下
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_ticketless_hokuriku.pdf
七尾線の各駅を「特急停車駅およびご利用の多い駅」と「その他の駅」に分けている。
「特急停車駅およびご利用の多い駅」では編成両数に関わらず
・ICカードは駅のIC専用改札機にタッチ
・きっぷ(運賃)は通常通りの改札(駅係員/駅の集札箱)
となっている。
他方「その他の駅」では
2両編成の場合
・ICカードは「乗る時:1両目一番後ろのドア付近の青色改札機」「降りる時:1両目1番前の運転士横の黄色改札機」にタッチ
・きっぷ(運賃)は運転士横の集札箱
4両編成の場合
・ICカードは「乗る時:任意の青色改札機」「降りる時:任意の黄色改札機」にタッチ
・きっぷ運賃は通常通りの改札(駅係員/駅の集札箱)
となっている。
また、七尾~和倉温泉間でのと鉄道の普通列車に乗車する場合はICOCAの利用が不可となっている。
そして、「特急停車駅およびご利用の多い駅」に指定されている駅は下表の◎の駅である。
…というのが説明であるが思っただろう、「?????」と。
実際、IC車載でない区間で似たような取り扱いがなされている区間もある。
播但線姫路ー寺前間では、各駅全てにIC専用改札機を設け、2両、4両に関わらずICOCAはそこで処理していた。一方紙のきっぷは2両編成では運転士横の集札箱へ、4両編成では各駅の集札箱へ、という形になっている。(もっとも播但線の場合4両編成は全てツーマンではある)
同年ICOCAが利用開始になった関西本線(加茂~亀山駅間)では加茂・柘植・亀山駅は駅の改札で、伊賀上野駅では全てのドアが開くため車内任意の青色/黄色改札機へ、そのほかの駅では1両、2両の編成に関わらず、後ろのドア横の青色改札機にタッチして乗車し、運転士横の黄色改札機にタッチして降車する。(参照:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210119_00_ICareakakudai.pdf)
きのくに線紀伊田辺~新宮駅間もかなりややこしい、恐らく各駅の事情に合わせて最適化させようとするとガラパゴス化したというところであろう。
参照:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_wakayama.pdf
ただひとつ言えることは、地方型ワンマン(1両目の後ろから乗り、運転士横の集札箱へ料金を入れる)と都市型ワンマン(車掌がいないだけで駅で運賃を精算することを前提とする)と車載型IC改札機これら3つを併用しようとすると何気なく時折利用しようとする人にはかなり使いづらいということである。
利用者本位と管理しやすいシステムの併用の方法にICサービスの拡大が絡んだ結果かえって誰も得しない有様になりうるのかもしれない
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません