「一本列島」急行列車夢の跡　【北海道篇】

2024年4月26日ポケット時刻表

かつて庶民の足として親しまれてきた国鉄、そしてJRの急行列車。この記事では1988年3月「一本列島」のコピーライツの通り、青函トンネルと瀬戸大橋の開業で北は稚内から南は枕崎間で鉄道で移動できるようになった時の時刻表から急行列車だけを取り出してその円熟期の姿を見たい。

この記事は北海道篇です。
各地方の記事に飛ぶ場合はこちらからどうぞ

「一本列島」急行列車夢の跡　【まとめ用】

可能な限りその列車の現在についても触れていますが執筆時点の知識不足により満足な記述がされていない場合がありますのでご了承ください。

まずは夜行列車から

  列車名 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻
夜行 はまなす 201 青森 22:55 札幌 6:18
夜行 はまなす 202 札幌 22:00 青森 5:17

日本最後の急行列車である。青函トンネルを通る列車はこの当時、すなわち青函トンネルの開業時はこの急行はまなすとこのほかに特急北斗星2+臨時1往復(札幌ー上野間)、特急日本海1往復(函館ー大阪)、L特急はつかり2往復(函館ー盛岡間)、そして快速海峡8往復(青森ー函館)であった。この当時の急行はまなすの編成は自由席3両、指定席2両。一方、2015年3月改正時(やや所要時間が伸びている)の編成はB寝台2両、自由席2両、指定席3両の計7両となっていた。

列車名 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻 備考
ちとせ 701D 苫小牧 8:09 札幌 9:14 静内6:15発普通列車から
ちとせ 702D 札幌 18:43 苫小牧 19:44  

果たして日高本線からの優等列車というわけでもないこの列車、掘り下げれば”迷”になるだろう。

列車名 号数 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻 備考
狩勝   401D 札幌 12:15 帯広 16:24 滝川経由　釧路19:48着まで普通列車
そらち 1号 801D 札幌 13:30 滝川 14:42 新得18:08着まで普通列車
そらち 3号 803D 札幌 19:32 滝川 20:46 新得23:27着まで普通列車
そらち 2号 802D 滝川 7:51 札幌 9:04 富良野6:39発普通列車から
そらち 4号 804D 滝川 10:10 札幌 11:24 富良野8:54発快速列車から
狩勝   402D 帯広 14:01 札幌 18:18 滝川経由　釧路10:53普通列車から

これらの列車は根室本線に向かう列車のうち、滝川経由の列車である。函館本線の札幌から旭川方面の特急列車はL特急ライラックと特急オホーツク(一部室蘭から)になっていた。急行と特急を合わせだいたい30分に1本程度の運転となっていた。

  列車名 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻 備考
夜行 まりも 411 札幌 23:00 釧路 6:10 石勝線経由
夜行 まりも 412 釧路 22:28 札幌 6:52 石勝線経由
  ノサップ 511D 釧路 12:51 根室 15:02  
  ノサップ 512D 根室 10:29 釧路 12:37  

他方こちらは石勝線経由の帯広・釧路・根室方面の列車。急行ノサップは特急おおぞら1号(札幌8:04発)からないしおおぞら10号(札幌18:20着)の連絡列車。つまり札幌から根室まで7~9時間かかるわけだ。石勝線経由の特急列車は特急おおぞらが14本となっていた。現在はおおぞらととかちになっている。

  列車名 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻
夜行 大雪 211 札幌 22:50 網走 6:22
夜行 大雪 512 網走 21:46 札幌 6:34

石北本線の昼行優等列車はもっぱら特急オホーツク4往復となっていた。現在でもこれに準じた運行体系(札幌行きオホーツク2往復+旭川行き大雪指定日運休2往復)になっているが、夜行列車が走っていたのは特筆すべきだろう。停車駅も多めになっていた。

  列車名下り 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻 備考
  礼文 301D 旭川 8:48 稚内 12:44  
  天北 303 札幌 11:30 稚内 18:25 天北線経由
  宗谷 305 札幌 16:28 稚内 22:57  
夜行 利尻 311 札幌 21:57 稚内 6:00  
  列車名上り 列車番号 発駅 発時刻 着駅 着時刻 備考
夜行 利尻 312 稚内 21:43 札幌 5:55  
  宗谷 302 稚内 7:30 札幌 13:57  
  天北 304 稚内 11:53 札幌 18:56 天北線経由
  礼文 306D 稚内 16:03 旭川 19:53  

宗谷本線には特急列車が走っていなかった。天北線にも急行列車が通っていた。音威子府ー稚内間は宗谷本線のほうが1時間程度早い。