Osaka Metro 中央線 加算運賃認可へ【答申】
post-5819/ 2024年4月28日
国土交通省運輸審議会は、23日、大阪市高速電気軌道から申請のあった中央線(コスモスクエア~夢洲間)の加算運賃の上限認可申請について、申請通り認可することが適当と答申した。この答申を見て行きながら、Osaka Metroに示されている懸念などを見ていく。
【申請概要】コスモスクエア~夢洲間:加算運賃90円(実際に払うのはバリアフリー料金含め330円)
参考弊記事:Osaka Metro夢洲延伸の加算運賃は「90円」で申請
※普通旅客運賃はOsaka Metroの他線区と同様である。
第1・2回
Osaka Metro中央線(正式には第4号線)は、大阪市・OTSが所有し、Osaka Metroが運営する。運転本数は万博期間中上下774本、輸送人員は20万人/日になる(第1回資料)。大阪市がインフラ施設を所有し、インフラ外施設のうち、車両・留置線をOsaka Metroが保有することになる。
90円の根拠は、OTS・Osaka Metroが所有する減価償却期間が20年程度となっているため、20年程度で累積損益を黒字化することを目標として算出されたものとのことである。また、その際のOTSへの線路使用料は年740万円で固定とのことである(第1回審議録・第2回資料)。なお、長期収支を見れば、単年度収支は2033年度に黒字化する見通しであるとのことである。
運賃認可の為には収入が支出+適正利潤を超えてはいけない。特に支出部を注目してみてみると、人件費は(Osaka Metro全線ではなく)中央線の数値を基にはじき出している。また、当然万博増強分を計算しているが、動力費のところに「万博輸送増強分(431本)」とある。
需要予測については、万博関連については、万博協会の計画から定期は2.5万人/日を7/5倍、定期外は鉄道分担率41%を想定して計算。その他は夢洲への定期的な来訪者数をみて計算している。
第3回(パブコメ)・4回(意見聴取)
パブリックコメントは5件。運輸審議会委員からはIRに絡む話がコメントにないことを気にする発言があった。また、パブリックコメントに対しては「一日乗車券「エンジョイエコカード」の設定については、今回の上限運賃認可の対象外の事項となりますが、大阪メトロでは、夢洲を利用しない方に不利益にならないよう検討していくと聞いています。」と記載されている(第3回資料)。
ちなみに収支率が低すぎると指摘した京都府の人とは私であるが、どうやら見過ごされているようである。
今回は公聴会が開催されなかったため、意見聴取がされている。その中で、Osaka Metroは「現時点で、大阪市が示す1月末の開業にあたって必要となる準備期間は確保できているとの認識。」としている(第4回審議録)。
答申文(特に要望事項)
答申文は大幅な変更がなかったが、結局認可通りの答申となった。特に大事なのは要望事項であり、曰く
国土交通大臣は、今般開業する中央線のコスモスクエア・夢洲間の需要が外部要因により大きく変動することが見込まれることに鑑み、同区間を運営する大阪メトロに対し、夢洲への主要な交通アクセスとして安全で安定した輸送の確保を図るよう、必要に応じて助言・指導を行っていただきたい。https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001740177.pdf
「地元自治体との連携を含め、」が含められる案もあったが、結局は採用されていないようである。
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