東京メトロ中経を確認する
東京メトロは2024年度決算を発表するとともに、2027年度までの3年間を期間とする中期経営計画を発表した。この記事では鉄道趣味に役立ちそうなものを見ておこう。
「Run!~次代を翔けろ~」と題された経営計画である。
図版で掲げられている施策を見ると
・銀座線増発
・丸ノ内線増発
・丸ノ内線CBTC化(2024年度)
・日比谷線CBTC化(2026年度)
・東西線
ホームドア全駅整備
中野駅エレベータールート整備
飯田橋~九段下間折り返し線整備
南砂町駅2面3線化工事
・半蔵門線
ホームドア全駅整備
CBTC化推進
・南北線8両化、延伸工事
・有楽町線
延伸工事
銀座一丁目駅エレベータールート整備
東武線直通に向けた施策
となっている。それぞれについて確認しておくと、
ホームドアについては工事中の南砂町駅を除き2025年度内に全駅設置を予定しているとのことである。ホームの段差縮小は2027年度導入完了としている。車両の導入について、半蔵門線18000系は2025年度導入完了予定としている。
エレベータールートについては、バリアフリー化としてまず1ルートの確保をという方針で銀座一丁目、中野、そして図版にはなかった八丁堀駅について2030年度を目標として整備するということである。また、複数ルートの確保については浅草、築地の両駅については2026年度という目標値が設定された。
東西線の「飯田橋~九段下間折り返し線整備」とは、現在九段下方面の折り返し線となっているところが、中野方面の列車と平面交差が生じるため、これを解消するための整備を行うというものである。
南北線の8両化は9000系の改修に合わせたものである。
決済システムについては、タッチ決済及び将来的なタッチレス決済を検討している。
ここで目玉となるのは、増便である。銀座線は平日・土休日の日中時間帯から夕方まで、丸の内線は平日・土休日昼過ぎまでの増発を2026年度に予定している。この点については、何等かの形で別途記事に起こしておいてダイヤ改正に備える予定である。
それ以外での輸送改善といえば新線建設である。建設費4000億円にのぼる有楽町線・南北線延伸プロジェクトは目下進行中であり、この間有楽町線延伸線と東武伊勢崎線直通に向けた基本提携を実施したことは記憶に新しい。
CBTCについても触れられている。今までのATCであれば、閉塞そのものは維持されていたため、無線を利用する列車制御により丸ノ内線では効果がみられている。今般の中期経営計画においては日比谷線、次いで半蔵門線での導入を予定している。また、丸ノ内線においては、ATO運転に加えて自動化レベルを上げ、運転士ではなく必要な要件を有した乗務員(すなわち免許を有さない者か)での運転を試みているようである。
国内においては、車両保守の請負のほか、運用終了車両を改造のうえ、販売する方針が立てられている。今後の車両動向が活発化するものとみてよいだろう。
鉄道事業における海外ビジネスも見ておこう。ロンドンにおいては海外鉄道事業を実施しており、ベトナム・フィリピンにおいてはコンサルも実施している。
不動産等は大幅に省略して、ESG投資のEも車両部品の販売をすることくらいで措いておいて、社会に対する戦略としての「地下鉄開通100周年」施策をみよう。ここに書かれているのは地下鉄博物館リニューアル着手である。
株主還元で言えば、2026年度末には増配を予定している。更に中間配当を実施するとのことである。
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