JR各社 2024年春ダイヤ改正を予想する
さてもうこの時期がやってきてしまった。2024年春ダイヤ改正ニュースリリースが出るまで2か月ほどとなったので、ぼちぼち予想を始めていこう。
まずは確定事項を見ていくところから。この記載に限り、JR・三セク以外も含めておく。
・Kitacaエリア拡大・新設 (岩見沢ー旭川、函館ー新函館北斗)
・根室線富良野ー新得間廃止
・Suica仙台エリア拡大(かみのやま温泉ー村山、山形ー寒河江)
・SUGOCAエリア拡大(佐賀~佐世保・ハウステンボス)
※長崎エリアとは相互利用不可(鳥栖方面のみ)
では各社を見ていく。
JR北海道
すでに報道されている通り、根室線のうち富良野ー新得間は廃止が決定されている(3月31日限り)。
その他、駅の廃止についても北海道新聞によれば宗谷線初野駅、石北線愛山駅、函館線中ノ沢駅、石勝線滝ノ上駅の4駅の廃止を目指しており、そのほか38駅についても廃止を検討しているとのことである。
ひとまず令和5年度事業計画などを基準にしてみていくのがよいだろう。
追記:北海道新聞の報道が出た。下記記事を参照。
JR東日本
山形新幹線に茄子色のE8系が導入される。普通席については1割強座席が減ることになる。ただ新幹線区間の最高速度がE3系の275km/hから300km/hに引き上げられるため、これに伴う時刻変更・スピードアップはありうる話である(山形新幹線をより便利に快適にします)。
在来線について個人的に気になっているところとして、仙山線の奥新川、面白山高原の両駅通過列車の取り扱い(更に増えるか否か)及び、奥羽本線の冬季通過駅である大沢、板谷両駅の処遇である。かかる通過扱いを行い始めると、数年内、早ければ次の年に廃止されることがあるからである(参考:冬季通過を実施した/する駅一覧)。
在来線については(どこの会社も同様の傾向だが)近距離はほぼ復調、中長距離は8~9割程度となるので、それに合わせた復便や、本数調整が行われるはずである。首都圏ではいわゆる5方面について昼間毎時1~2本を順次削っているところがあるので、これらについてどうするかが気になるところである(たぶん戻らないだろうという悲観込みである)。
北陸新幹線についてはJR西日本の項で述べる
JR東海
この会社は何もしない可能性すらあるのではと思ってしまいたくなる。例えば東海道新幹線の定期列車の運転間隔の平準化、山陽新幹線への直通本数増設などは昨年実施済みである。せいぜい定期ののぞみ号を2時間27分運転でそろえるか否か辺りを見ておけばいいだろう。スピードアップについては毎度話題に上げたい人もいらっしゃるらしいが、今すぐにそれを行いそうには思えない。
在来線についても、ローカル線区のテコ入れは昨年度実施。やっていないとすれば身延線辺りであろうか。北陸新幹線開業の影響を受けるのは直接的には特急しらさぎ号であるが、本数はとりあえず変えないままだろう(米原ー敦賀便を延ばすかなくすか辺りが懸案だろう)
315系4両編成電車によるワンマン運転の実施はまだ当分先であろう。
JR西日本
実は結構前にここの記事は作成していたのだが、意外と当たらなかったので、そのまま供養しておく。
北陸新幹線のダイヤ予想が一番大きいところだろう。穏当な予想をしてみる。
現状ダイヤだと、「かがやき」が定期列車で運転していない時間帯の「はくたか」は金沢~長野(一部飯山を除く)と高崎、大宮、上野、東京と準速達になり、「かがやき」が運転されている時間帯は金沢~高崎の各駅と大宮、上野、東京に停車する。
「はくたか」の延長便と「つるぎ」の延長便で昼間毎時2本を運転、朝夕は「かがやき」の延長便が来る(更に臨時列車として昼間にもスジを用意しているだろう)。「つるぎ」が各駅停車型、「はくたか」は昼間は金沢、小松or加賀温泉、福井、敦賀、朝夕はほぼ各駅停車、「かがやき」は金沢、福井、敦賀停車…というくらいの予想にしておこう。
次いで連絡特急となる「サンダーバード」「しらさぎ」相当列車について(名称が変わりうるのはおいておいてそのまま使う)。基本的には新幹線と同様の本数は走らないといけないとすると、「サンダーバード」は毎時2本運転しそうである(大阪ー金沢の運行距離が大阪ー金沢と半分程度になるのだから、両数にも余裕が出るだろう。となるとW7系とのバランスを考えてほぼ12両で運転できるようにするのではという妄想もしておこう。)。他方「しらさぎ」の米原止めをどうするのかが気になるというのは先述の通りである。敦賀駅での乗り換えが少々不便(武雄温泉なんてレベルではない)なことは頭に入れておかないといけなそうだ。
2023年8月30日リリースの記事はこちらを参照→「北陸新幹線 金沢~敦賀間開業に伴う運行計画の概要について」
移管される並行在来線については、「並行在来線経営計画」なるものが福井、石川両県からすでに出ており、それについてはまとめているのでそちらを参照(福井、石川 なお西松任駅が開業する)。七尾線ダイヤについてもそこまで大幅に変わらないとは思うが、サンダーバード号が金沢まで来なくなるので、能登かがり火に代替されると考えるのがよさそうである。
さてこれで困るのが湖西線のダイヤである。退避設備があるのは大津京、おごと温泉、堅田、近江舞子、安曇川、近江今津である。近江今津で新快速を増結・解結している間にサンダーバードが追い抜いていくというのが現状である。特急以外は普通・新快速で昼間毎時4本。このあたりの精密なダイヤは検討が進んでいるはずであろう(新快速が新幹線連絡列車としての役割を果たすのだという論は恐らく立たないだろう)。停車駅の増減があるのかは気になるが本数は維持ということなので、この辺りの考慮はきになるところである。
関西地区の在来線はどうか。2021~2023年改正で減便されたものはまあまず戻ってこないと考えておくのがいいだろう。混雑の激しいところだけを部分的に復便することはあるのだろうが、大ナタを振った部分はまあそのままだろう。なお忘れがちだが、201系がこのダイヤ改正で引退する(ニュースリリース)。となると大和路線系統も3ドアで統一できるのだからホームドア設置へ準備が進んでいくだろう。
関空特急「はるか」が敦賀に乗り入れるかについてはまた考えるべきで、関西空港駅の有効長がネックにはなるだろう。大阪万博について見据えたダイヤについては、桜島線の増発準備が進むだろうという程度で、このダイヤ改正では出てこないだろう(参考ニュースリリース)。
特急「やくも」号には273系特急電車が新製導入される。順次導入であるために、381系をすべて置き換えるとまでは思えないが、ともかくも見ものにはなるだろう。所要時間短縮までされるかはまた次のダイヤ改正でわかるだろうと思われる。
ほかのローカル線区について、こちらも復便はあまり期待できないだろう。米子支社は4両ワンマン運転なる暴挙もしているところであるが、これを2両2本に分かつのかも気になるところ。
広島地区の増便についてもまた同様である。
JR四国
松山駅の高架化は2024年秋に延期されている。然れども、予讃線(伊予市ー松山ー今治辺り)のパターンダイヤ化はそろそろあり得るのではないかと睨んでいる。2023年のダイヤ改正は新幹線連絡を改善することだけであったために、今年は少し期待してしまう。2021,22年改正で大幅にダイヤを繰り上げたところが戻るとも思えない。
<参考>過去のパターンダイヤ例
2019年ダイヤ改正 牟岐線 徳島~阿南間 ニュースリリース
2020年ダイヤ改正 予讃線 高松口ダイヤ調整 ニュースリリース
2021年ダイヤ改正 土讃線 高知~土佐山田間
2021年ダイヤ改正 徳島線 徳島~穴吹間 ニュースリリース
2022年ダイヤ改正 高徳線 徳島~板野間
2022年ダイヤ改正 鳴門線 徳島~鳴門間 ニュースリリース
JR九州
大幅な減便に対しては不満が噴出しているところであり、快速電車を増やしてほしいという切実な願いが沿線住民から出ているところである。ただこれにJR九州が上手く対処するようには見えない。鹿児島線あたりは毎時2本ずつくらい増やさないとどんどん利用者が流れるということは指摘するまでもないだろう。
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