湖西線「普通電車」の輸送密度を推測する

2024年4月26日未分類

鉄道の輸送量を表す指標である「輸送密度」。1日1km辺りに平均人員を示す値である。
JR北海道の説明が分かりやすいのでその画像を貼っておく。(画像の元リンク)
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例えば国鉄の幹線・地方交通線の区分基準は8000人、現在のJR存廃協議の実施ラインは1000-2000人だったりする。

さて、北陸新幹線が敦賀~大阪間で全通するときに「湖西線が第三セクター化・あるいは廃止されるのではないか」と言う話を時折耳にする。
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▲大正義サンダーバード(現7号)。右に見えるのが切り離しを受けた新快速電車(近江今津駅)。

というわけで今回調べたのは【湖西線の普通・新快速の輸送密度】である。

調査対象は2018年度の湖西線(山科-近江塩津間)の普通電車による輸送密度。

「データでみるJR西日本2019」によれば、湖西線の輸送密度は38218人/日である(56p)。
この数字には特急サンダーバードの通過利用者も含まれている。
当時同列車は24往復48本の運転があり、下り片道1日平均の利用者数は9213人である(79p)。なおこの数字を24で除すと384人となり、683系電車9両編成の車両定員546名と比して妥当と考えられる。

上下線の特急列車利用者数が概ね同数であり、全員が湖西線内を通過利用をするととすると湖西線の普通電車による輸送密度は38218-9213×2=19792人となる。
また、サンダーバードのうち6本が湖西線内の堅田・近江今津に停車する。しかしこれによる影響は小さく、また両駅いづれかまたは両方で乗降車するとなれば線区全体の輸送密度は上記数値より大きくなる。

以上から湖西線の普通電車による輸送密度は約19800人と言える。

上記数値は同年度の鹿児島本線久留米~八代間、川内~鹿児島間の輸送密度(約7000人~12000人)を大きく上回る数値であること、及び同区間はJR九州が九州新幹線開業時に並行在来線として分離しなかった区間であることから、北陸新幹線敦賀-新大阪間開業時に並行在来線として分離されることは相当でないと言える。

。。。というところまではTwitterで書いたのだが、もう少し詳しく見ていきたい。
山科~堅田、堅田~近江舞子、近江舞子~近江今津、近江今津~近江塩津で分けてみたい。
運転本数からすると順に毎時5本、4本、2本、1本の運転だった。土休日(※平日は山科~堅田も4本/時)とか、運転両数(新快速は近江今津まで12両、以遠4両、普通電車は4,6,8両)などという事情はあるが、とりあえずこれで按分する。

それで推定すると
山科~堅田:約35000人
堅田~舞子:約28000人
舞子~今津:約14000人
今津~塩津:約7000人
となる。推定としては妥当…なのか?それを踏まえてもなお、例えば近江今津~近江塩津が別会社扱いになるのは妥当ではないだろう。